H26年度の研究は、これまで2年間の研究に基づき、目に見えない小さな「粒子」の世界の出来事を自分たちが粒子となって動き、現象をみんな表現しながら正しい粒子イメージを持った理解へと導く体感型理科教育の方法の検討を進めました。本年度の課題は、これまでに行った基本的な現象の表現方法を基にして、別の現象に対する表現方法を考え、更なる現象の理解につなげていける可能性について探っていくこととしました。そこで本年度は二つの内容に注目し、この方法による学生の粒子イメージと現象とのつながりを考慮して進めていきました。その一つは電気回路の表現を基に、その応用として電気抵抗の直列・並列回路をみんなで表現する方法を考えて実践してみることによるイメージづくりを行うことです。もう一つは、ものの燃え方で扱われるろうそくの火の中での出来事を自分たちで表現することで、物が燃えるときの現象を粒子イメージで捉えての理解につなげることです。自分たちで表現方法を考えて実践してみる活動において、名古屋女子大学の学生に粒子イメージに関するアンケートを取り、体感型理科教育の方法の利用にって学生の粒子イメージがより正しいものへと導けることを確認していきました。また、3年間でみんなで粒子を演じて表現する方法の例を映像として資料にする準備を行っています。 今後の研究の展開は、みんなで粒子を演じて現象を理解する体感型学習の方法の実践方法の検討し、動きのルール設定や自然法則を表現できる遊びの導入など、対象を想定した利用マニュアルの作成を目指します。そのために、本研究で作成した映像資料を参考にして、この方法を使用するためのガイドとなる物を作っていきます。
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