研究課題/領域番号 |
24501072
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
中川 徹夫 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (70312866)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 科学教育 / マイクロスケール実験 / 持続可能な開発 / 教材開発 / 授業実践 / 物理教育 / 化学教育 / 地学教育 |
研究実績の概要 |
1 学会・研究会における情報検索・収集:第18回近畿地区化学教育研究発表会,日本理科教育学会第66回全国大会,日本理科教育学会近畿支部大会等に参加して,マイクロスケール実験(MSE)や持続可能な開発のための教育(ESD)に関する情報収集を行った.また,化学と教育,地学教育,物理教育等の学術雑誌にも目を通し,関連情報の収集に努めた. 2 MSEに関する普及・啓発活動:研究代表者の勤務校におけるオープンキャンパス模擬授業,青少年のための科学の祭典(神戸会場大会),高校への出前授業等で授業実践を行い,MSEの普及・啓発活動に努めた. 3 化学分野のMSE教材の開発・改良:ダニエル電池に関する教材開発・改良や,電池教材の発展的な内容としてネルンストの式を用いた電池の起電力の指導法に関して検討した.ダニエル電池や電気分解用の蓋も加工して作製した.加えて,研究協力者の宮澤氏の協力を得て,マイクロスケール実験の手法を用いたダニエル電池および鉛蓄電池の授業実践を行い,有用性を確認した. 4 物理分野・地学分野のMSE教材の改良:研究協力者の内田氏の協力を得て,液体の密度測定に関するマイクロスケール実験の授業実践を行い,有用性を確認した.研究協力者の平井氏・笹部氏の協力を得て,岩石・鉱物の密度測定の関するマイクロスケール実験教材の開発・改良と授業実践を行い,有用性を確認した. 5 研究成果の発表:第18回近畿地区化学教育研究発表会,日本理科教育学会第66回全国大会,日本理科教育学会近畿支部大会等で口頭発表した. 6 マイクロスケール実験シート(改訂版)の作製:2013年1月に編集・作製したマイクロスケール実験シート(初版)を修正・加筆し,新規内容を含めて改訂版を作製した.オープンキャンパス模擬授業や高校への訪問授業,学会等で配布する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時点から現在に至るまで,概ね「研究実施計画」通りに遂行できた.しかし,諸事情により一部実行できなかった部分もある. これまでに開発した教材の改良に加え,新たなマイクロスケール実験教材を開発した。そして,これらの教材を用いてオープンキャンパス模擬授業,高校への出前授業,青少年のための科学の祭典等で,児童・生徒を対象とした授業実践を実施し,有用性が確認できた.これは,MSEの普及・啓発活動の観点からも評価できる. 研究成果を学会や学術雑誌に発表し,関係者に研究成果を周知した.また,研究協力者には,研究成果や学会開催に関する情報をメーリングリストにより通知した.これらも,MSEの普及・啓発活動の観点から有意義である. ただ,当初の計画に記した最終年度に研究成果冊子(科研費を利用して,これまでに発表した学術論文や学会発表要旨,授業実践に使用した資料等を掲載した冊子)を作成できなかったことが,課題として残った.
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今後の研究の推進方策 |
すでに,現在までの進捗状況の欄でも記した通り,当初の計画に記した研究成果冊子を作成できなかった.これは,印刷中の論文や一部の未整理資料を収録できなかったためである.そこで,補助期間の延長を申請したところ,このたび承認された. 現在,研究成果冊子の編集作業に着手しているが,作業は順調に進んでいる.2017年度の前半には,研究成果冊子の編集作業を終え,遅くとも2017年10月までには作成・発行して,関係者へ配布する予定である. なお,研究成果冊子の発行以外は,当初の研究計画の基づき,研究を順調に進展させることができた.
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次年度使用額が生じた理由 |
印刷中の論文や一部の未整理資料を収録できず,当初の計画に記した研究成果冊子を作成できなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
主として,研究成果冊子の制作費に充当する予定である.
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