H26年度(最終年度)の成果は,1)H24年度に実施した小学生向けCSアンプラグド実践に対する,学習プログラムと学習効果について分析を行い,情報処理学会論文誌に査読付論文として採録された.また,新規の学習プログラムとして,インターネットのデータ転送に関する学習プログラムを開発し,短大生,高校生を対象として試行実験を複数回実施した.2)欧州を中心として日本も参加している国際情報科学コンテスト(通称:ビーバーコンテスト)の問題作成及び国際委員会の会合にH25年度に引き続き参加した.H26年度は特に,ビーバーコンテストが普及しているドイツ,フランス,イギリスの委員に,その普及方法などを聞き取り調査し,日本国内での普及に活かすべく方策を検討し,H26年度に一部実施した結果もふまえて,H27年度からの普及活動を計画している.3)英国で2014年度から導入されたComputingの授業でCSアンプラグド関連の授業も行われるとの情報を得て,英国視察を行った.現地では,小学校の教員の他,教材開発者(教育委員会)との情報交換を行い,資料の提供を受けた.
期間全体の成果は,1)CSアンプラグドの多くで小学生を対象とすることが可能であることが分かった.しかし,授業で実施する場合は高学年を対象とすることが望ましいことも分かった.また,教具・教材に関しては,実践環境に合わせて使用することができるものを複数開発する必要があり,今後の課題である.2)ビーバーコンテストに関しては,研究会や学会などで教員向けに内容を紹介すると,その有効性を認める発言をしていただけるので,教員に対する認知度が低いことが問題であり,今後の課題となった.3)小学校における情報科学教育のカリキュラムについては,当初CSアンプラグドを中心に考えていたが,最終年度の英国視察の結果,その他の学習内容も検討する必要が生じ,今後の課題となった.
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