研究課題/領域番号 |
24501080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
星屋 泰二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 関西光科学研究所管理部, 技術主幹 (20446404)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | パワーズ・オブ・テン / 階層構造 / 全体像 / 温度 / エネルギー / 空間 / 時間 |
研究概要 |
サイエンス・ポット(マルチスケール階層化体感広場)モデルについて社会連携型活動の教員研修に適用した。 (1)社会連携型活動の視点から実践した教員研修では、学校現場における教材開発の立場から、内容に関わる理解度は、大きく高まった。宇宙分野における空間軸と時間軸に関わる階層化構造について疑似体験できる天文学ソフトウェアを教材に導入することにより、パワーズ・オブ・テン(POT)(十の冪状で増大、減少)の概念を容易に伝えられることが判明した。教材開発における考え方や発想を通して、子どもたちへどのように伝えるのかについて、重要性を認識する機会となった。 (2)地域共生型活動の視点から、教育・行政機関との連携・融合企画であるサイエンスフェスティバルでは、動機づけ、不思議さ、面白さの実体験化が特徴的であり、児童・一般を対象とし、新たな発見や科学技術に対する興味・関心の増加が大きい。やましろのタカラ フェスティバルでは、文化活動ステージや地域活動コーナーを科学体験コーナーと組み合わせた文理融合型イベント内容により、参加者の目的意識の高揚とともに、新たな発見や、科学技術に対する興味・関心を高め、効果的動機づけ効果が得られた。 (3)課題設定型活動において全体像を把握させることを主眼としたSPP講座では、授業の進捗度と新学習指導要領の整合を図り、学年毎に異なるカリキュラムの実施により、生命、音、熱、力の分野において探究心の向上に繋がる成果が得られた。さらに、昨年度からの継続実施により、学年毎の持続的活動の効果として、興味づけ効果を誘起できたことにより、「理科教科嫌い」を低減させるための、理科教科に対する「近接性」を高めることに奏功した。探究心の高まりは、動機づけ効果が大きいほど、キャリア教育にも影響が広く及ぶことから、持続的活動として継続することにより、課題解決型の活動に変換できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科学技術理解増進活動事業のなかで、社会連携型活動、地域共生型活動及び課題設定型活動の各立場から実践した教員研修、サイエンスフェスティバル、サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)講座について、サイエンス・ポット(マルチスケール階層化体感広場)モデルの適用性を検討し、各構成要素実験(理科的要因、科学的要因等を含む)を実践した結果、基本パラメータに関する基礎データを取得した。これにより、支配因子を抽出し、その効果について解析評価できる目処が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、(a)教員研修、 (b)サイエンス・セミナー、 (c)派遣講座及び連携授業、(d)ふぉとんサイエンスクラブ/サイエンスキャンプ、(e)ふぉとん夏休み等親子実験・工作教室、 (f)サイエンス・フェスティバルのうち、光科学に関するエネルギー及び環境のテーマに絞るとともに、相補性を目指した連携の強化と重畳(シナジー)効果、非線型効果の増大を目指した実験フェスティバルを開催し、モデルの検討、効果の評価解析を通して、モデル構築に関わる検討を行う。 これらの要素の一部を抽出して組み合わせた実験教室や実験フェスティバルを複数回、企画開催し、モデルの構築、方法論の検証に資する。平成24年度に科学館の運営(実験教室(データ収集))や原子力機構での運営(セミナー(教員研修開催))で蓄積されたデータをもとに、 平成25年度は、個々の成果を相補的に組み合わせ、重畳(シナジー)効果および非線型効果の全貌について把握する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、サイエンス・ポットモデルの構築と方法論を策定させるための主要支配因子を決定するとともに、これら各因子間の相補的効果を記述できる重畳(シナジー)効果および非線型効果について描出するために必要となる解析評価機器及びソフトウェアの整備を行う。さらに、これら中核データを取得するために不可欠な実験教室等の実践に必要な消耗品等を購入するとともに、実験教室開催に必要となる謝金、旅費について計上する。あわせて、国内外において関連する先端情報の入手に努め、モデル構築に資する。
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