研究課題/領域番号 |
24501087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荻野 和子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (40004353)
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研究分担者 |
荻野 博 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (00004292)
吉野 輝雄 国際基督教大学, アーツ・サイエンス研究科, 名誉教授 (10052276)
関根 勉 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (20154651)
猿渡 英之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
小俣 乾二 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (70272010)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マイクロスケール化学実験 / 実験キット / 化学教育 / グリーンケミストリー |
研究概要 |
1.情報収集・成果発表: 22nd International Conference on Chemical Education(Rome, Italy), 化学教育研究協議会東北大会(秋田大学)、日本化学会第93春季年会(立命館大学)等内外の学会において、研究成果発表、情報収集を行った。 2.マイクロスケールケミストリー(MC)実験キット作成と改良: 大日本印刷㈱の協力により,電気分解,電池,イオンの学習に適したMC実験キットを開発・改良を行い教員研修、実験教室等で試用した。 3.新しいMC実験の開発: 新学習指導要領の中学理科、高校化学基礎のための以下の実験教材を開発・改良した。①イオン液体をもちいるイオン概念の理解につながる実験。②導電性高分子電解合成のMC。 ③上記キットを用いた酸と塩基についての実験。いずれもマイクロスケールなので、省資源・省エネ、廃棄物削減で環境にやさしい。 4.東日本大震災の被災校におけるMC実験:化学実験をともなう授業が困難になった仙台市、石巻市の被災中学校における化学実験が我々の開発したMCキットにより実施され、有効性が示された。 5.その他 ①本研究グループのホームページ(http://science.icu.ac.jp/MCE/)の管理と更新,講演会・研修会の案内、実験教材の系統的な提示、参考資料の紹介した。②MCキットを使った「わくわくときめき実験皇室」による普及:山形、福島、名取、米沢、仙台、東京等で行い、生徒が強い興味を示し、積極的に探究的に実験した。(河北新報記事あり)。③藤枝、高松、東京、名取、釜石、盛岡、石巻で教員研修(小中学校、高校、大学教員対象)において、MC実験キットについて講演とワークショップを行った。④仙台市の市立中学校教員と協力して、被災していない学校でのMCの導入を研究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」は、以下のようにおおむね計画通り進行している。 1.教育現場に適したマイクロスケール実験(MC)教材を開発・改良し、導入しやすくするため、キットを開発・改良しほぼ満足できるものになった。また、マニュアル、ワークシートも作成し、7都市(藤枝、東京、名取、高松、盛岡、石巻、釜石)で教員研修を行った。 2.科学・技術に対してポジティブな見方を養成するため,グリーンケミストリー(GC)の概念につながる導電性高分子やイオン液体についての教材を開発した。 3.多数の実験教室ならびに中学校の授業で、われわれの開発したMC実験キットが試用され、有効性が示された。 4.本研究グループのホームページ(http://science.icu.ac.jp/MCE/)の管理と更新,講演会・研修会の案内、実験教材の系統的な提示を行った。
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今後の研究の推進方策 |
1.新学習指導要領に沿ったMC実験教材およびマニュアルの開発:実験教室,教員研修、学校現場で試行しながら新しいMC実験教材,既存の実験教材の改良をはかる。その際新学習指導要領との関係付けを明確にして現場に取り入れやすいようマニュアルを整備する。 3.開発した教材を国際学会で紹介し、海外の学校への導入をはかる。 4.最終年度には、「環境にやさしい化学教育」のシンポジウムを開催し、さらに成果を広める。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.2012年に開催が予定されていた第7回国際マイクロスケールケミストリーシンポジウムが開催されなかったため、そのための旅費が未使用金として残った。第7回国際マイクロスケールケミストリーシンポジウムは2013年5月にベルリン(ドイツ)で開催されることが決まり、招待講演に招かれている。研究成果を発表するとともに、ドイツの教員対象に研修を行う。 2.各地で教員研修を行い、環境にやさしい実験の学校への導入をはかる。2012年に多数の教員研修を行う費用を計上したが、公益社団法人日本化学会その他の機関からの要請によるものが多かったため、費用は予算を下回り、未使用金を生じた。その費用は主として、次のように使用する。いくつかの中学校教員の協力を得て研究成果を実際に授業に導入して効果を調べる。また、そのための情報収集、研究成果の発表の旅費等に使用する。 3.平成24年度に各地で行った「環境にやさしい化学教育の学校への導入」に関する意見交換において、この分野での全国規模のシンポジウムの開催の必要性が認識された。そのための準備作業を行い、平成26年度開催を目指す。
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