ICT植物教材プラットフォームに搭載するコンテンツ開発については、計画した4エリア(四次元観察、eラーニング教材による自主学習、バーチャル実験、空間移動の各エリア)それぞれについて、コンテンツ開発を進めた。今年度は特に、AR(拡張現実感)・プロジェクションマッピングなど、最新のIT技術を活用した教材開発に重点を置いた。新規性の高い研究実績としては、(1)プロジェクションマッピングを用いた農機具使用動作3Dアニメーションの立体表示(立方体3面への投影)の完成、(2)プロジェクションマッピングを用いた立体的な樹皮模様図鑑、(3)バーチャル植物園構築のための植物3DCG描画手法の構築(色彩と質感を忠実に再現した植物体モデル)、(4)イネの教材活用に関する自主学習用eラーニング教材の作成、(5)東日本大震災での津波被害を学ぶための耐塩性植物(アイスプラント)に関するバーチャル実験システム、などである。開発したこれらのコンテンツは、現職教員向けの講習、高校生向けの講座、教育系大学での実践、などで試行し、いただいたコメントを元に、教育現場で利用しやすいシステムに改良している。 教材コンテンツを公開するためのプラットフォームについては、教材植物の画像・映像、植物体3DCG、eラーニング教材、一部のバーチャル実験、などは搭載済みであるが、シミュレーション計算を伴うなど複雑なバーチャル実験システムを動かす仕組み、また外部機器を用いるAR教材・プロジェクションマッピング教材の公開方法については課題が残っている。現時点で開発コンテンツの2/3程度は搭載できており、限定的に公開しているが、利用したいとの意見が多くの学校から寄せられていることから、本年6月までにWeb公開する予定である。
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