研究課題/領域番号 |
24501095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松永 泰弘 静岡大学, 教育学部, 教授 (80181741)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ものづくり教材 / 教材開発 / 授業実践 / 実践評価 |
研究概要 |
まず最初に、本研究で取り扱う教材開発として、不思議や驚きをともなう独創的な科学技術ものづくり教材の開発および改良を進めた。具体的には、小学生対象のものづくり教材として、慣性の法則を追及するひもを移動する模型教材、摩擦・モーメントについて追及する2本のひもを登る模型教材を開発した。また、中学生対象のものづくり教材として、材料の変形を追及する曲げ木教材、機構を追及するオートマタ教材、金属製機械式振子時計を開発し、最先端の2足歩行ロボットASIMOにつながる木製受動歩行模型教材を平らな足裏での歩行を2足および4足歩行で実現した。 開発した教材を用いた小学生対象のものづくり教室において、科学を追及し続けるものづくり授業の授業案を作成し、実践を行い、教材および実践に対する評価、子どもの変容について分析した。ビデオ撮影した動画を解析する作業分析法、質問紙調査による意識変化分析法を用いて評価し、インタビュー調査、実践中のアンケート、概念マップ、保護者のアンケートなどで総合的に分析した。その結果、どの作業にどれだけ時間を使い、子どもたちの意識がどのように変化しているのかが明らかとなり、以降の実践の改善につながった。作業断切率という概念を取り入れ、子どもの作業に対する持続性の向上を数値で示すことが可能となった。 小中学校9年間のものづくり授業プログラムを構築するために、小中一貫の在日ブラジル人の学校で授業実践を行った。木材を用いた教材は、子どもたちに新しい道具の使用経験を増やすという点で優れているが、材料費と材料を切りそろえる機械の問題から相当な公的援助・改革が実現しない限り不可能である。これを解決するために、紙や段ボールを用いた動く模型教材の開発を行った。実践の評価については考察中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では「研究の目的」として、「科学を追求するものづくり教材への発展的改良」「授業実践」「地域連携子ども育成システム構築とものづくり教室評価システム作成」の3つの柱で研究を進めている。 「科学を追求するものづくり教材への発展的改良」においては、小学生対象のものづくり教材として、慣性の法則・摩擦・モーメントを追及するひもを移動する模型教材、2本のひもを登る模型教材を開発した。また、中学生対象のものづくり教材として、材料の変形を追及する曲げ木教材、機構を追及するオートマタ教材、金属製機械式振子時計を開発し、最先端の2足歩行ロボットASIMOにつながる木製受動歩行模型教材を製作が容易な構造に改良した。これまでに開発した教材に加え動く模型教材が開発されたことにより、また、同じ教材においても材料を変え、動く部分を追加したことにより授業での活用の幅が広がっている。 「授業実践」「地域連携子ども育成システム構築とものづくり教室評価システム作成」については、小学生対象の講座型ものづくり教室において、科学を追及し続けるものづくり授業の授業案を作成し、実践を行った。教材および実践に対する評価、子どもの変容について、作業分析法、意識変化分析法、インタビュー調査、実践中のアンケート、概念マップ、保護者のアンケートなどで総合的に分析した。その結果、どの作業にどれだけ時間を使い、子どもたちの意識がどのように変化しているのかが明らかとなり、以降の実践の改善につながった。作業断切率という概念を取り入れ、子どもの作業に対する持続性の向上を数値で示すことが可能となった。また、由比生涯学習交流館、ものづくりサポーター、こどもクリエイティブタウン『ま・あ・る』が連携して、小学生対象のものづくり教室を開催し、連携を模索している。
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今後の研究の推進方策 |
「科学を追求するものづくり教材への発展的改良」については、小学生対象のものづくり教材として、重心を追求するやじろべえ教材、一足跳び振子教材、糸の張力による回転モーメントを用いた教材を新たに開発する。また、中学生対象のものづくり教材として、材料の変形を追及する曲げ木教材、機構を追及するオートマタ教材、金属製機械式振子時計の開発・改良を継続し、2足および4足受動歩行模型教材の改良を行う。また、同じ教材においても材料を変え、動く部分を追加した種類を増やし、授業での活用の幅を広げる。 「授業実践」「地域連携子ども育成システム構築とものづくり教室評価システム作成」については、静岡市立駒形小学校図工の授業において、科学を追及し続けるものづくり授業の授業案を作成し、授業実践を行う。教材および実践に対する評価、子どもの変容について、作業分析法、意識変化分析法、インタビュー調査、実践中のアンケート、概念マップ、保護者のアンケートなどで総合的に分析する。また、由比生涯学習交流館、ものづくりサポーター、こどもクリエイティブタウン『ま・あ・る』が連携して、小学生対象のものづくり教室を開催し、連携を模索する。さらに、小中学校9年間のものづくり授業プログラムを構築するために、小中一貫の在日ブラジル人学校で授業実践を行う。また、海外、モンゴルとブラジルにおける小中学校におけるものづくり教育プログラム支援を行い、その成果を日本のものづくり授業プログラムに生かす。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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