研究課題/領域番号 |
24501095
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松永 泰弘 静岡大学, 教育学部, 教授 (80181741)
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キーワード | ものづくり / 教材開発 / 授業実践 / 実践評価 |
研究概要 |
最初に、ものづくり教材として、不思議や驚きをともなう独創的な科学技術ものづくり教材の開発および改良を進めた。具体的には、小学生対象の教材として、昨年度開発した教材の改良と共に、新たに3次元的平衡模型教材、一足跳び振子模型教材、回転模型教材、1本のひもを屈伸で上る模型教材を開発した。また、中学生対象の教材として、機構を追及するオートマタ教材、オルゴールのゼンマイで動く機械式振子時計を開発した。最先端の歩行ロボットにつながる受動歩行模型教材に対して、平らな足裏での歩行を上肢下肢を有する4足歩行で実現した。上肢下肢の運動を解析した。 小学6年図工において、開発した教材を用いた科学を追及し続けるものづくり授業実践を行い、教材・実践に対する評価、子どもの変化について分析した。ビデオ撮影した動画を解析、質問紙調査による意識変化分析、実践中のアンケート、保護者・教員アンケートなどから複眼的に分析した。その結果、作業ごとで子どもたちの意識がどのように変化しているのかが明らかとなった。また、教員から他教科の授業で見られない子どもの変化が見られたという意見、保護者アンケートから子どもが動作原理を自慢げに説明する姿が見られたという意見と子どもたちのアンケート内容との関係を分析した。 小中学校9年間のものづくり授業プログラムを構築するために、小中一貫の在日ブラジル人の学校で授業実践を行った。木材を用いた教材は、子どもたちに新しい道具の使用経験を増やすという点で優れているが、材料費と材料を切りそろえる機械の問題から相当な 公的援助・改革が実現しない限り不可能である。これを解決するために、紙や段ボールを用いた動く模型教材を開発し、授業実践を行った。日本人の子どもたちには見られない、ものづくりを楽しみ、木製の製作物を宝物のように大切にする姿、家族と一緒に遊ぶ姿が見られ、授業のアンケートから考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では研究の目的として、①科学を追求するものづくり教材への発展的改良、②授業実践、③地域連携子ども育成システム構築とものづくり教室評価システム作成の3つの柱で研究を進めている。 ①科学を追求するものづくり教材への発展的改良においては、小学生対象のものづくり教材として、昨年度開発した教材の改良と共に、新たに3次元的平衡模型教材、一足跳び振子模型教材、回転模型教材、1本のひもを屈伸で上る模型教材を開発した。また、中学生対象の教材として、機構を追及するオートマタ教材、オルゴールのゼンマイで動く機械式振子時計を開発した。最先端の歩行ロボットにつながる受動歩行模型教材に対して、平らな足裏での歩行を上肢下肢を有する4足歩行で実現した。上肢下肢の運動を解析した。これまでに開発した教材に加え動く模型教材が開発されたことにより、また 、同じ教材においても材料を変え、動く部分を追加したことにより授業での活用の幅が広がっている。 ②授業実践、③地域連携子ども育成システム構築とものづくり教室評価システム作成については、小学校図工において、科学を追及し続けるものづくり授業の授業案を作成し、授業実践を行った。教材および実践に対する評価、子どもの変容について、意識変化分析法、実践中のアンケート、教員・保護者のアンケートなどで複眼的に分析した。その結果、作業ごとで子どもたちの意識がどのように変化しているのかが明らかとなった。アンケートを質的に分析することにより、子どもたちの内発的動機を高める授業方法を明らかにし、子どもたちの関係性への欲求、環境へ働きかける態度、新しいものを生み出す力、努力し続ける力、困難を乗り越える力、自尊感情の変化について分析した。 また、由比生涯学習交流館、ものづくりサポーター、こどもクリエイティブタウンと連携して、小学生対象のものづくり教室を開催し、連携のシステム化を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
「科学を追求するものづくり教材への発展的改良」については、小学生対象のものづくりを幼児教育にまで広げる。そのため、教材として、幼稚園児や低学年対象の教材を新たに開発する。また、中学生対象のものづくり教材として、機構を追及するオートマタ教材、機械式振子時計の開発・改良を継続する。オートマタ教材の動力源に、風力、重力、熱などを利用し、種類を増やし、授業での活用の幅を広げる。静岡の家康時計で話題となった天賦式時計を開発し、時計教材の種類も増やす。2足および4足受動歩行模型教材の改良を行い、人間、4足動物に近い受動歩行の開発を行い、動物の進化と物理現象との関係について明らかにする。 「授業実践」「地域連携子ども育成システム構築とものづくり教室評価システム作成」については、小学校理科の授業において、科学を追及し続けるものづくり授業の授業案を作成し、授業実践を行う。教材および実践に対する評価、子どもの変容につ いて、意識変化分析法、実践中のアンケート、教員・保護者のアンケートなどで複眼的に分析する。また、由比生涯学習交流館、ものづくりサポーター、こどもクリエイティブタウン、ディスカバリーパークが連携して、小学生対象のものづくり教室を開催し、連携のシステム化を進める。さらに、小中学校9年間のものづくり授業プログラムを構築するために、小中一貫の在日ブラジル人学校で授業実践を行う。また、海外、モンゴルとブラジル、インドネシアにおける小中学校におけるものづくり教育プログラム支援を行い、その成果を日本のものづくり授業プログラムに生かす。
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