研究課題/領域番号 |
24501096
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
戸谷 義明 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30180186)
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キーワード | 生活に役立つ理科 / 出前化学実験 / 化学実験教材 / 実験・観察 / 科学教育 |
研究概要 |
身の回りや身近なことがらと結びついた内容で,理科が役に立つ教科であることを実感でき,理科学習に活用できるような化学(科学)実験教材を開発し,開発したコンテンツで実践を行い,アンケートなどから実践を評価し,改善処置をすることを繰り返して実験教材と指導法を継続的に発展させ,完成させるのが本研究の目的である。 2013年度は10日(回)の実践を行い,科学実験教材の開発・改善を行った。とりわけ,2012年度の佐久島小中学校,日間賀小学校への出前に引き続き,2013年度は篠島小学校へ生物発光関係の個別指導体験型の実験などを出前し,愛知県の全離島への出前実践を達成することができた。さらに篠島で夜間に発光生物ウミホタルの採集調査を行い,その生息を確認することができた。 個別指導体験型の食品関係の教材実験としては,昨年度に引き続き,卒業研究テーマとして確実に成功するカルメ焼きの条件と実験方法を再検討し,実験講座用の指導法として完成させ,実践を行い,公表することができた。また,アルギン酸ビーズ関係の実験についても,卒業研究テーマとして検討した結果,さまざまな飲料でプチプチ感のある良好なビーズを調製する方法が明らかになった。今年度,レオロジーの観点から,各種飲料のアルギン酸ナトリウム溶液の粘度,および,それらから調製したビーズの圧縮試験の測定を依頼した。その結果,溶液の粘度とビーズのできやすさとの関係,およびビーズのプチプチ感について,測定で得られた粘度の実測値,および破断強度曲線などから,定量的に解釈する端緒を開くことができた。さらに,実験講座で実践可能な水あめづくりの実験法の検討にも着手し,実践の目処がついた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生物発光関係,食品関係などの個別指導体験型の化学教材実験および,その指導法の開発と実践による改善が,おおむね予定どおりに進行している。一部の実験,および実践の様子は靜止画,およびHDなどの動画で撮影,収集した.最終目標の個別指導体験型の化学教材実験集の出版のための内容と材料が揃いつつある.
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を個別指導体験型の化学教材実験集として出版するのが最終目標である。化学教材実験集の内容を確定し,これまでに開発した実験演示法(PowerPointプレゼンテーションを含む)の最終版を完成させる。作成に必要な画像や資料を集め,不足する内容(音速測定実験,アルギン酸ビーズ)を補う。カルメ焼き作りは7月に最終実践を計画している。水あめ作りも,12月に実践を計画しており,それまでに実験法を検討し,完成を目指したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究協力者の都合が合わず,11月後半から3月には,出前実践ができなかったが,教材の開発を重点的に行った。また,公共交通と公用車を活用したことで, バス・タクシーなどの借料はなかった。 計画通り,物品費(化学教材実験集実験集のための教材の開発・完成,実践のための試材),旅費〔日本理科教育学会全国大会(松山),出前実践など〕,謝金(出前実践講師,化学教材実験集用イラスト作成,PowerPoint完成,原稿入力,アンケート整理など)に使用するほか,主に,その他(化学教材実験集作成出版費)として使用する。
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