研究課題/領域番号 |
24501100
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
石塚 亙 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50184544)
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研究分担者 |
木村 憲喜 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (70324986)
中村 文子 和歌山大学, 教育学部, 技術職員 (10362857)
横山 正樹 和歌山大学, その他部局等, 助教 (90599474)
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キーワード | 科学教育 / 体験学習 / 実験工作 / 教材開発 |
研究概要 |
本研究の目的は、若者の科学離れに対処するために、大学の教職員と学生が参加する「実験工作キャラバン隊」の活動を通じて、(1)児童生徒に、化学に触れて科学に夢を感じる機会を提供し、体験型の学習の効果を検証するとともに、大学院生・学部学生が実験工作教室の実践を通じて得る理科教育の能力の向上を評価し、(2)実験工作教室のテーマに宇宙に関わる体験学習のコンテンツを加えて一つの特色とし、宇宙を通じて科学的な感動や夢を与えることを目標としながら、体験学習の科学的内容の高度化・教材化と、化学コミュニケーション能力を持った学生の養成を行うことである。 25年度以降の研究実施計画は、体験学習を主とする体系的な理科・科学技術教育の完成に向けて(1)実験工作教室を継続的に開催して児童性の科学的な興味・関心を高めるとともに、これを学生の理科・科学教育を実践する機会とし、体系的な理科教員養成のモデルとし、(2)身近な素材を使う実験のテーマに、宇宙に関するものを含めた比較的高度な内容を加えてその効果を検証し、(3)生徒を対象に、宇宙をテーマにした講演と体験学習を組み合わせた科学講座を複数回開催する。更に(4)学校の授業に取り入れることが容易にするために、学校の理科で扱われている単元との関連にも触れて、実験工作教室で取り上げているテーマやその実践結果を冊子として纏めることである。 実験工作教室の実施回数、参加した大学院生・学部学生の数は24年度並みであり、実験工作教室に参加した児童数は25年度中に述べ10,000人を超えた。実験工作教室は、開催のための準備を含めて、学生たちが自主的・主体的に行えるようになり、学生らの教育力の向上が明らかに認められる。これらの成果は理科教育学会で発表し、特に宇宙をテーマとした活動については、25年7月に千葉で開催されたアジア太平洋物理学会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験工作教室は研究実施計画の通りに実施しており、これを通じた大学院生・学部学生の教育面についても、参加した学生の学業成績や進路に関して教職に就く割合が高く、成果が上がっていると判断できる。大学院生による学部学生の指導についても、期待通りに行われている。実験工作の新しいテーマの開発に関しても、宇宙に関わる洗練されたものを作り上げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
児童生徒を対象にした実験工作教室を通じ手行う、学部学生・大学院生に対する教育効果は大きい。理科が必ずしも特異ではない「食わず嫌い」の学生を含めて、取り組みに参加させるための勧誘の工夫を重ねていく。これまでに継続して行ってきた研究の成果を、学会や研究会などの機会を捉えて公表し、併せて実験工作のコンテンツを纏めた冊子を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
この成果の公表に係る冊子の作成に関わって、25年度内に実験工作のコンテンツを収めた報告書を仕上げるように計画し、そのための経費を年度初めに用意して研究を開始したが、我々が開発したコンテンツが多数になり、研究の進展により当初計画よりも多くの資料を蓄積することができた。そのために年度当初に予定した経費では不足することになり、より充実した内容の報告書を作成するために次年度に繰り越した。 研究成果の公表に係る冊子の作成に関わって、当初見込みよりも多く蓄積することができた実験工作のコンテンツの紹介を、更に効果的に行うためにカラーページが多いものにする。そのために、25年度の研究費から繰り越した74,600円を26年度の研究費に加えて使用する。
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