本研究は,教師志望学生と現職教師を対象に様々な調査を実施し,理科教師の「省察的実践力」の獲得・形成の実態や課題等について検討するとともに,より高いレベルの「省察的実践力」の開発に寄与する教師教育の方策について示唆を得ることが目的であった。 その結果,教職経験の異なる二人の教師の省察の内容の特徴が事例的に明らかになったとともに,協働的省察が教師志望学生の教師知識形成のための方策として有効であることや,教師自身の過去の授業実践のビデオ記録を活用した省察を行うことが理科授業に関する自身の力量の成長の確認とさらなる力量向上のための課題の認識に寄与する方策となる可能性があること等が示唆された。
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