研究課題/領域番号 |
24501105
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
平尾 健二 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70301348)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 技術教育 / 生物育成 / 教材開発 / 食農教育 / 技術・家庭科技術分野 |
研究実績の概要 |
以下の2点について研究活動を行った。 1.【学校の現状とニーズに即した教材の開発(2年目)】研究2年目(2013年度)から実施している教材開発は, 1年目にアンケートにより確認した地域の技術科担当教員のニーズを参考にしたものであるが,今年度においては,さらに教育現場の実情に即した栽培方法の確立や,地域の農業に結びついた特産品の題材化など,さらなる展開を図った。以下に具体的な研究成果を示す。 (1)大規模校の実践に対応した小型容器栽培教材:市販のキット教材よりも安価で,身の回りのもので作成可能な室内栽培教材を開発した。最適な作物種を室内の日射や温度条件の面から詳細に検討しながら,具体的な育成方法を提案した。 (2)茶樹の容器栽培による特産品「玉露」の生産教材:福岡県八女地方の緑茶の特産品「玉露」の生産方法を栽培教材化した。茶樹を容器栽培の上,室内に設置することにより,本来の玉露に近い栄養分をもつ茶葉が育成できることを確認した。 2.【フレームワーク構築のための人的ネットワークの形成と情報発信(3年目)】3年目となる「農でつながる教育ネットワーク」の活動として,第3回のセミナーを8月に開催した。内容は,学校で安価に実施可能な「容器栽培」を体験的に学ぶ講習とした。特に中学校現場で求められている小規模で且つ充実した生物育成学習を実践している現職の中学校技術科教員を講師として実施した。セミナーには,現職の小学校,中学校教員を始めとして,教育関係者約30名が参加し,講習を受けるともに,生物育成学習について情報交換を行った。セミナー募集の告知や1における開発教材,ならびに本研究活動の内容については,Webページ(http://agriedu.fukuoka-edu.ac.jp)にて公開し,情報発信を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教材開発については,中学校現場のニーズに即しながら,小学校との接続点を明確にしたものを着実に増やしている。また,教員間のネットワークの構築については,第3回目となった今年度においては,教員間の結びつきも強化されつつあり,県下の教科研究会においても本ネットワークとの連携が提案させる運びとなっている。また,一般市民対象の作物栽培講習会との連携もなされ,教員以外の方々への本取り組みに関する理解も促進された。 以上の理由から,本研究は3年目の成果として,おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き,以下の2点に関して,研究協力者の小・中学校等の現職教員や農業ジャーナリストに協力を仰ぐ研究体制を基盤として,本研究計画を遂行する。 1.教員に研究成果を紹介するフレームワークの完成と効果の検証(4年目):小学校から中学校までの生物育成学習をつなぎ,両校種での学習活動の流れをスムーズにするための,「生物育成学習の実践実例集」をまとめ,Web等で公開する。内容には,小学校側から見た視点と中学校技術科側から見た視点を結びつけ,生物育成学習を捉えることができる工夫を盛り込みたい。また,セミナーを継続して開催するとともに,これまでに行ってきた学びの集大成とし,その効果の検証を行う。研究期間終了後も,フレームワークが維持できるような方策を考え,教員間,大学と教員間のつながりを維持できるように努める。 2.小学校からの継続性を踏まえた中学校技術科生物育成教材の開発(3年目) 3年目となる来年度においては,農家等の栽培技術のノウハウを子どもたちが理解できるように変換し,学校教材としていくというスタイルで,「農」のもつ教育的効果を学校で発揮できるような教材の開発を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
栽培教材の品質や環境分析のために試薬等を予定より多く購入することになり,予定していた農機具の購入ができなかった.そのため,その差額により,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に本額を合わせて,初心者でも使用しやすい農機具の購入を行い,学校現場での活用法を教員研修セミナーにて実演指導することにしたい.
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