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2014 年度 実績報告書

人間生活の視点に立った化学実験教材の開発・身近な製品におけるエステルの検出と識別

研究課題

研究課題/領域番号 24501109
研究機関東京理科大学

研究代表者

井上 正之  東京理科大学, 理学部, 教授 (00453845)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードエステル / ヒドロキサム酸法 / プラスチック / 繊維 / 構造異性体
研究実績の概要

当初計画における課題の内,懸案であった以下についての実験法を確立し,学校現場での実践を行った。
1.プラスチックの識別実験
高密度ポリエチレン(PE),ポリスチレン(PS),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリ乳酸(PLA)からヒドロキサム酸法を用いてポリエステル系プラスチックであるPETとPLAを選別する方法を確立した。ヒドロキシルアミン硫酸塩と発色時に添加する酸水溶液として希硫酸を用いることで実験の時間を短縮でき,鉄(III)錯体の呈色の濃淡によってPETとPLAを識別する方法を確立し,呈色の差が,PETとPLAにおけるエステル結合の反応性に起因することを示した。また本法を組み込んだ上記五種類のプラスチックの識別実験を確立した。またヒドロキサム酸法をアセテート,ポリエステル(PET),6-ナイロン,アクリル繊維,絹,羊毛,木綿,レーヨンの各繊維の識別実験に適用した。加熱5分後における溶液部分の呈色によってアセテートとポリエステルを,繊維の着色によってアクリル繊維を,さらに加熱10分後の溶液部分の呈色と硫化物イオンの検出によって羊毛と絹を選別できた。
2.エステル構造異性体の識別実験
ペンタン酸メチルの4種類の構造異性体(いずれもメチルエステル)について,ヒドロキサム酸法を用いる識別実験を開発した。陽イオン界面活性剤触媒を添加することなく0℃で5分間反応させることで,エステル結合近傍の立体障害の差に基づく呈色の濃淡が現れ,各異性体を識別することができた。また酢酸ブチルの4種類の構造異性体(いずれも酢酸エステル)に対して,同様の反応条件でヒドロキサム酸法を行うと,酢酸n-ブチル・酢酸iso-ブチルと,酢酸sec-ブチル,酢酸tert-ブチルを識別することができた。この呈色の差も,エステル結合近傍の立体障害の差によると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ヒドロキサム酸法を用いたポリエステルプラスチックと繊維の検出2015

    • 著者名/発表者名
      廣瀬彰訓,井上正之
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      船橋市
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-28
  • [学会発表] ヒドロキサム酸鉄(III)法によるエステルの構造異性体の識別2015

    • 著者名/発表者名
      野神沙織,井上正之
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      船橋市
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-26
  • [学会発表] Detection of polyester plastics by hydroxamic acid method2014

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Hirose, Masayuki Inoue
    • 学会等名
      248th American Chemical Society National Meeting & Exposition
    • 発表場所
      San Francisco
    • 年月日
      2014-08-12 – 2014-08-12
  • [備考] 井上研究室ホームページ

    • URL

      http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/inolab/

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公開日: 2016-06-01  

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