研究課題/領域番号 |
24501115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋産業大学 |
研究代表者 |
岡村 聖 名古屋産業大学, 環境情報学部, 准教授 (80314087)
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研究分担者 |
村上 健太郎 名古屋産業大学, 環境情報学部, 准教授 (00598386)
伊藤 雅一 名古屋産業大学, 環境情報学部, 教授 (60340387)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | CO2 / 二酸化炭素 / 環境教育プログラム / 里山 / 二次的な自然環境 / 体験学習 |
研究概要 |
本研究は里山の様な二次的な自然環境の変化を、CO2濃度を指標として客観評価するための環境教育プログラムの開発と評価を行うことを目的としている。生物多様性条約第10回締約国会議で採択された「SATOYAMAイニシアティブ」の推進及び人材育成に対する有用性から社会的ニーズが高い体験学習プログラムモデルの提案という点で社会的意義があると考えている。成果の具体的内容は以下の通りであり、成果の一部は名古屋産業大学環境経営研究所年報第12号に掲載された。 ①研究協力校の演習林等によるCO2濃度測定のための授業計画の策定と実践:研究協力校(愛知県立稲沢高校、三重県立久居農林高校、岐阜県立岐阜農林高校等)において、研究目的を念頭に一年を通じた研究授業計画を具体化し、実践した。研究授業には、演習林等の空間内において10秒毎にCO2濃度、温度、湿度を測定したり、光環境調査、葉緑素調査、土壌水分調査等、短期的な時間変動が少ない二次的な自然環境を構成する要因を測定したりする等の、体験学習が含まれる。 ②CO2濃度データとその他の要因の比較による二次的な自然環境変化の考察と成果発表:研究協力校はCO2濃度の時系列変化をグラフにする等して、短期的な時間変動が少ない二次的な自然環境を構成する要因との比較を通して、その濃度変化の理由を考察した。申請者らはそれぞれの専門分野の知見に基づいてフィードバックを行った。研究協力校は学内発表会や日本学校農業クラブ全国大会東海大会で研究成果の発表を行った。 ③連携授業参加者へのヒアリングによる環境教育プログラムの評価:環境保全のような効果が表面化するまでに多くの時間を要する取組みに対して、短期間の体験でもその変化を実感し意欲的に取組むことができる人材育成プログラムとしての観点から、授業参加者に対してヒアリングを実施し、今年度の研究授業を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は里山の様な二次的な自然環境の変化を、CO2濃度を指標として客観評価するための環境教育プログラムの開発と評価を行うことを目的としている。 そのために、①研究協力校の演習林等によるCO2濃度測定のための授業計画の策定と実践、②CO2濃度データとその他の要因の比較による二次的な自然環境変化の考察と成果発表、連携授業参加者へのヒアリングによる環境教育プログラムの評価、の3つのプロセスにより研究を進めた。 研究初年度ということで、直ちに科学的な知見を得たというレベルではないが、研究実績に記載した通り、全てのプロセスを実行し、CO2濃度を指標として客観評価を行う環境教育プログラムを実践するための様々な知見が得られ、次年度の研究授業計画に反映できていることから、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
演習林の様な斜面、樹木、林床が混在する環境下では、障害物の無い開けた場所と違って大気が占める空間が狭く、鉛直方向への1次元性が成立しない大変な複雑系である。3次元的な挙動が支配的なCO2濃度と風向・風速の測定データを同時に比較するのは複雑すぎるため、風向・風速の要因については気象庁が発表する天気図から読み取れる気圧傾度(メソβ程度)を採用した方が望ましいと判断した。また、複雑なCO2濃度の挙動をとらえるために、24年度計画の2倍CO2濃度測定器を確保した。 当初は実践時に得られたデータを使って仮説を検定するようなプログラムを3年繰り返しバージョンアップさせることを想定していた。しかし、自身の測定結果の疑問の解明に取り組むという、主体的な取組にプログラム参加者はやりがいを感じていた。仮説を検定するために、あれこれ指示することは、主体的な取り組みに悪影響があると判断した。 申請者らに対しては、その疑問解決のためのアドバイスだけでなく、比較対象として一般的な空間のCO2濃度の挙動の把握が期待された。地球温暖化を監視・予測するために公開されるCO2濃度データでは、バックグラウンドデータとみなされない変動は取り除かれる。生活環境圏のような環境のCO2濃度の挙動に関する知見は不足している。 また、比較のために多地点の事例がほしいとのことであった。そこで、台湾育達科技大学とその連携高校をはじめ、加茂農林高校等、環境教育プログラムの実践数を増やすことでそのニーズにこたえたい。 以上、①連携研究校の主体的な取組、②申請者らによる生活環境下におけるCO2濃度の一般的な傾向の把握、③環境教育プログラム実践校を増加させることによる参加者からのヒアリングの充実、これらを3年間かけて集約し、研究目的を果たしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
①演習林のような過酷な条件(日射、降雨、動物)の元でで連続的な測定や分析を行ったことで、測定器やPC等の電気製品は故障や消耗が著しかった。消耗品とみなせる金額の範囲内でこれらを補充したい。また、CO2濃度測定器メンテナンス費用やプリンタインク・用紙も消耗品費として使用する予定である。 ②研究授業アシスタントと資料整理のための人件費・謝金を使用する予定である。 ③その他、研究連携機関との通信運搬費や論文投稿費を使用する予定である。
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