目的1:「小規模校における環境教育事例の検証とプログラム開発・実践」に関して、沖縄県の離島の小学校における地域の自然(ケラマジカ、野鳥)を対象とした環境教育プログラムを、二つの小学校の総合的な学習の時間に、担任主導で継続して実施された。各校の一年間の研究成果は沖縄生物学会において児童によって発表された。また、ICT(テレビ会議システム)を活用して宮崎県の小学校を結び、お互いの研究発表会を行った。
目的2:「環境教育プログラムの適用・検証と標準化」に関して、問題解決学習を実践するなかで、課題設定に関する不安が多くの教員に見られた。この点について、宮崎県のいくつかの小学校において、沖縄の小規模校で開発したプログラムを各地域の自然を題材として授業実践をした結果、身近な自然の中で、ほとんどの児童が自分の興味関心をもとに課題を作ることができることが明らかになった。また、宮崎県のユネスコスクール綾小学校ではESDの視点から、総合的な学習の時間と生活科のカリキュラムを見直して教科横断的な問題解決学習への移行を進めるなかで、4年生の総合的学習でこの環境教育プログラムを実施した。
目的3:「教員の環境教育に関する資質向上」に関して、「環境教育論」及び「環境教育演習」受講者の環境教育に関する認識は、受講前の自然体験や環境問題に関する体験的な学びから、受講後には、ESDや問題解決学習、総合的な学習の時間を中心とした教科横断的な学び、主体的・対話的な深い学びなど、自分毎の問題として考えていく力を育むための教育活動へと変容を示した。
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