研究課題/領域番号 |
24501124
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
村上 佳久 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教 (30229976)
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キーワード | 電子黒板 / タブレット / 点字ディスプレイ |
研究概要 |
1.電子黒板 (1)試行:導入した電子黒板70型2台を利用し、中講義室の黒板利用から電子黒板に変更して授業の試行を実施した。学生からの評価として、文字がはっきりする、見易い、黒板よりも視認性が良いなどの好評な意見が出た。一方、電子黒板と連動する手元のタブレットについては、長時間の利用のための疲労感や無線LANの不安定さによる再接続などの不満点もあるが、手元で黒板が利用できることの利点を挙げる声が多かった。 (2)改善:中講義室には学内用の無線LANがあり、これが電子黒板と手元タブレットとの無線LANと干渉するため、有線での接続を試みた。電子黒板の出力をディスプレイ分配器で分割し、数台のディスプレイで配信する。手元タブレットもD-subアダプターを接続し、ディスプレイ接続を行ったところ、非常に好評を得た。問題点として、手元タブレットの長時間の利用は疲労するため、手元タブレットのスタンドが必須となったことである。 2.白色文字印刷 (1)電子黒板に対する疲労:電子黒板や手元タブレットを利用していると、学生数人から疲労を訴える声が出たため、状況を把握するとデジタル・ディバイドに相当する自己発光型ディスプレイに対して羞明を起こしやすい事が判明した。このような場合、拡大読書器による黒白反転画像でも眼精疲労が起こるため、反射光による黒色用紙に白色で印刷した白色文字印刷が必要となった。 (2)白色文字印刷:トナーメーカの協力を得て、白色トナーで白色文字印刷を行い、学生に提示し、非常に好評であった。本研究において、デジタル・ディバイドへの対応を行なわれてこなかったことが反省点として挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電子黒板や手元タブレット、電子教科書に対応できないデジタル・ディバイドに対して白色文字印刷を導入し対応したため、電子教科書などの評価の中で電子点字図書と電子録音図書の体験評価が遅れている。 また、電子黒板の強調表示などについても、色弱やデジタル・ディバイドまで考慮すると個別対応型システムの導入が不可避のため、この部分の評価についても遅れが生じている
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今後の研究の推進方策 |
技術的な問題点以外に、視覚障害者特有の眼疾に関する問題や晴眼者にも影響が及ぶ眼精疲労などのデジタルメディア利用に対する問題点が明白となってきたため、このような分野に対しても対応すべく、研究の一部修正を行う。また、双方向性や遠隔地教育などの問題も含めて検討し、研究の総合的評価を続けていく。
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