研究課題/領域番号 |
24501133
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
飯 聡 京都工芸繊維大学, 伝統みらい教育研究センター, 特任教授 (70456903)
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キーワード | 包丁研ぎ / 調理師 / 習熟 / 自習 / 技能伝承 / 伝統産業工学 |
研究概要 |
日本料理職人にとって包丁は最も大切な道具のひとつである。包丁の切れ味は料理の味や見栄えに大きく影響を及ぼす。このため包丁研ぎ技術は日本料理職人にとって非常に重要である。これまで非熟練者が包丁研ぎ技術を習得するには、熟練者の動作を見てまねるしか方法がなかった。本研究では非熟練者が包丁の動かし方、砥石を抑える力の度合などの熟練者のコツをモニター画面で見ながら包丁研ぎを練習することによってその技術を自習できる「包丁研ぎ技能伝承・習熟教育自習ツール」を制作し、早期の技術習得を可能にし、ひいては伝統産業の後継者育成に貢献することを目的とする。 25年度は自習ツールのお手本とする複数の職人の包丁への圧迫力の測定を行った。また、学生と職人の包丁の持ち方を比較したところ、職人は包丁が確実に固定でき、かつ、疲れにくい持ち方をしていることが明らかとなった。 24年度および上述の結果を用いて、薄刃包丁を対象とした自習ツールの開発を行った。自習ツールはフォースプレートおよびノートパソコンからなり、学生がフォースプレート上の砥石で包丁を研ぐと、自身および職人の包丁への圧迫力と砥石上での包丁の軌跡が表示される仕様とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
26年度に行う予定であった刺身包丁のデータ計測はすでに終えており、データを追加することで自習ツールが完成する。
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今後の研究の推進方策 |
自習ツールに刺身包丁のデータを追加する。 調理師専門学校に自習ツールを設置し、学生に自習を行わせ、習熟度を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた海外の国際会議ではなく、国内で開催された国際会議で発表を行ったため、旅費の計上を行わなかった。 自習ツール制作および実施にかかる実験補助の人件費として使用する。
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