研究課題/領域番号 |
24501145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
小林 勝法 文教大学, 国際学部, 教授 (70225499)
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研究分担者 |
木内 敦詞 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (40241161)
嵯峨 寿 筑波大学, 体育系, 准教授 (30261788)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大学体育 / 高等教育 / FDプログラム / 分野別FD / プレFD / 教員採用 / 新任教員 / FD診断 |
研究概要 |
近年では、体育学専攻の大学院生や新任教員の中には学士課程で体育学を専攻していなかったり、教員免許を取得していなかったりとバックグラウンドが従来とは異なってきた。そこで、大学体育の分野別FDとプレFDの必要性も高まっており、これらのプログラムを開発し、評価することを本研究の目的としている。平成24年度は当初の計画に従って以下の4つの研究に取り組み、成果を得た。 「教員採用と養成に関する実態と意識調査」では、中規模以上の大学と短大、合計550校を対象に、体育教員の採用条件や方法、FDのニーズについてのアンケート調査を実施し、初任教員に期待する能力と養成に対するニーズを把握した。日本体育学会(8月)で発表し、『大学体育学』10号に投稿し掲載された。 「初任教員のニーズの把握」では、「大学体育初任教員にとって必要なサポート」を探るために、House (1981) によるソーシャルサポートの枠組みにそって、若手の大学体育教員を対象にグループインタビューとアンケートを実施し、合計27名からの回答を得た。今後も若手大学体育教員を対象に調査を継続し、学会誌に報告する。 「FDプログラムの開発」では、これまでに行った調査や先行研究を参考にして、プレFDのeラーニング教材を開発した。この教材はウェブ上で公開する。教材のユーザー調査を行い、教材の評価をして、学会誌に投稿する。 「FD診断シートの作成と実態調査」では、国立教育政策研究所が開発した「FDマップ」(2009年)を参考にして、FD診断シート(個人版と組織版)を作成し、それをもとにした調査を約570の大学・短大を対象に実施し、回答を得ているところである。これによって、FDの実態を把握するとともに、FD診断シートの有効性を検証する。調査結果は学会などで公表し、学会誌に投稿する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、大学体育の分野別FDとプレFDのプログラムを開発し、その評価をすることである。平成24年度は当初の計画に従って以下の4つの研究に取り組み、概ね計画通り、目的を達成した。 「教員採用と養成に関する実態と意識調査」では、中規模以上の大学と短大、合計550校を対象に、体育教員の採用条件や方法、FDのニーズについてのアンケート調査を実施し、初任教員に期待する能力と養成に対するニーズを把握した。日本体育学会(8月)で発表し、『大学体育学』10号に投稿し掲載された。この課題の目的は達成された。 「初任教員のニーズの把握」では、「大学体育初任教員にとって必要なサポート」を探るために、若手の大学体育教員を対象にグループインタビューとアンケートを実施し、合計27名からの回答を得た。今後も若手大学体育教員を対象に調査を継続し、平成25年度には学会誌に報告する。 「FDプログラムの開発」では、これまでに行った調査や先行研究を参考にして、プレFDのeラーニング教材を開発した。この教材は平成25年6月からウェブ上で公開する。教材のユーザー調査を行い、教材の評価をして、学会誌に投稿する。この課題は順調に達成されつつある。 「FD診断シートの作成と実態調査」では、FD診断シート(個人版と組織版)を作成し、それをもとにした調査を約570の大学・短大を対象に実施し、回答を得ているところである。これによって、FDの実態を把握するとともに、FD診断シートの有効性を検証する。調査結果は学会などで公表し、平成25年度に学会誌に投稿する。この課題も計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究は初期の計画通りに順調に進んでおり、今後も計画通りに推進する。具体的には以下の通りである。 「FD診断シートと実態調査」では、診断シート(個人版と組織版)をもとにした調査によって、FDの実態を把握するとともに、FD診断シートの有効性を検証する。調査票を約570の大学・短期大学に郵送しており、その回答を得て、集計・分析する。そして、大学体育教員に必要とされる職能とキャリア形成のステージを明らかにする。調査結果は平成25年度中に学会誌に投稿する。 「初任教員のニーズの把握とコミュニティ形成」では、平成24年度から継続し、大学体育初任教員のニーズを調査していくとともに、ReaD & Researchmapに立ち上げた初任教員コミュニティを運用する。初任教員のニーズ調査は6月まで続け、調査結果を学会誌に投稿するとともに、年度末の大学体育研究フォーラムでその成果を発表する。 「FDプログラムの開発とユーザー調査」では、平成24年度に引き続き、初任教員向けのFDのeラーニング教材を2本開発し、ウェブ上で公開する。WBT教材に簡単なアンケートを付随させて、教材のユーザー評価を得る。この結果は順次、学会報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の繰り越しが約130千円生じたが、これは「FD診断シートと実態調査」のアンケート用紙郵送を3月下旬にしたために、料金後納の郵送費とアルバイト謝金の支払いが年度内にできず、4月にずれ込んだためである。支出は遅れたが、研究は予定通りに実施できた。 翌年度は、「FD診断シートと実態調査」の回答の集計にかかる費用として入力アルバイト謝金を計上している。「FDプログラムの開発とユーザー調査」では、初任教員向けのFDのeラーニング教材を2本開発するので、この教材作成費を約630千円計上している。 そして、これらの研究課題と「初任教員のニーズの把握とコミュニティ形成」に関しての、研究打ち合わせ経費や学会発表経費を計上している。
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