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2012 年度 実施状況報告書

TCP/IPアプリケーションプロトコルの可視化システム

研究課題

研究課題/領域番号 24501150
研究種目

基盤研究(C)

研究機関帝京大学

研究代表者

荒井 正之  帝京大学, 理工学部, 教授 (70212602)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードTCP/IP / アプリケーションプロトコル / 可視化 / 学習支援システム
研究概要

TCP/IPにおけるアプリケーションプロトコルの学習を目的とした可視化システムを開発する.そのために主に次の課題に取り組む.(1)学習者が使用するコンピュータが送受信した実際のデータを用いるなど,アプリケーションプロトコルの理論に対して,実感を伴う学習が可能な方法の検討.(2)TCP/IPには多くのアプリケーションプロトコルが存在する.また,新しいアプリケーションプロトコルの開発,バージョンアップ等も比較的頻繁にあることから,それらに柔軟に対応する枠組みの開発.(3)アプリケーションプロトコルに用いられるデータには,リクエスト/レスポンス情報,付加情報,添付ファイル等がある.これらの目的や手順などを分かりやすく可視化する方法.
インターネットの普及に伴い,情報の専門教育においてTCP/IPプロトコルの教育が極めて重要になってきた.今までのTCP/IPの学習では,決まった通信パターンしか学習できない,実感がわかないなどの理由で,抽象的性格の強いTCP/IPプロトコルの概念を学習することが難しかった.例えば,HTTPの学習においては,WebブラウザにWebページが表示されるまでに,クライアントからGET,PUTなどのリクエストがあり,それに対してサーバがステータスコードをレスポンスすること,リクエストとレスポンスには,WebブラウザやWebサーバの種類等の付加情報があること,さらにHTML,画像,音声などが添付ファイルとして送受信されることなどを,学習者は実感することは難しい.このような問題点を解決するために,アプリケーションプロトコルの可視化システムの開発を目指している.
今年度は,主に(1)システムの要求仕様の検討,(2)ユーザインターフェースの検討,(3)アプリケーションプロトコル定義データの検討,(4)パケットキャプチャリング方法の検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究業績で述べた4項目について,具体的に達成度を説明する.
(1)システムの要求仕様の検討を行い,通信手順,データ構造をわかりやすく表示できる,ユーザのコンピュータが送受信したデータを使って表示できること,リクエスト/レスポンス,付加情報,添付ファイルを分かりやすく表示できること,リクエスト/レスポンス,付加情報の意味や目的に関する解説を表示できること,新しいプロトコルにも対応できること,などの仕様が決まった.
(2)ユーザインターフェースの検討を行い,リクエスト/レスポンスのシーケンス,リクエスト/レスポンスの説明,添付ファイルのプレビュー,付加情報などを分かりやすく表示できるインターフェースを設計することができた.
(3)アプリケーションプロトコル定義データの検討を行い, 種々のアプリケーションに対応できるようにするために,XMLを用いてアプリケーションプロトコル別にアプリケーションプロトコル定義データを作成することにした.
(4)パケットキャプチャリング方法の検討を行い,パケットキャプチャリングには,pcapAPIのラッパーとなるjpcapを使用し,XMLパーサには,SAX(Simple API for XML)を使用することにした.

今後の研究の推進方策

平成25年度は,次に示す手順でシステムの実装を行う予定である.
(1)ローカルコンピュータからのリクエストとリモートコンピュータからのレスポンスのシーケンス,リクエストとメッセージの説明の表示部の実装を行う.
(2)選択された行(リクエストまたはレスポンス)の説明を表示する.
(3)選択されたリクエストまたはレスポンスに付加情報がある場合は,付加情報の詳細を表示する.
(4)送受信したファイルのプレビュー機能を実装する.

次年度の研究費の使用計画

申請者と申請者の研究室に在籍する卒業研究生および大学院生で,本研究を進めている.複数の研究者が同時並行作業を行うために,ワークステーションが複数台必要となる.提案システムは,サーバクライアント型のアプリケーションプロトコルにも対応しなければならないので,ワークステーションは,クライアントだけではなく,サーバとしても使用する予定である.そのためにハイスペックなコンピュータを購入する.
また,コンピュータには,本研究を管理するためのグループウェア,データ加工用ソフトウェア,論文とりまとめのためのオフィスソフトウェア等のインストールしたい.それらのソフトウェアの購入を予定している.
研究成果を国内外の学会で発表することにより,同様な研究を進めている研究者からの意見をもらい,システムに反映させたい.国内出張は,情報処理学会関連の研究会・全国大会,計2回,海外出張は,IEEE関連の国際会議への出張を予定している.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] TCP/IP Visualization Systems with a Packet Capturing Function2012

    • 著者名/発表者名
      Arai,M
    • 雑誌名

      International Journal of Information and Education Technology

      巻: 2 ページ: 291-293

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development and Evaluation of Visualization Tools for Understanding the Control Method of TCP Packet Arrival Order and the Difference between TCP and UDP2012

    • 著者名/発表者名
      Takahashi,S. and Arai,M.
    • 雑誌名

      The 12th IEEE International Conference on Computer and Information Technology

      巻: 1 ページ: 140-143

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A tool for Learning the Programming Style of Java2012

    • 著者名/発表者名
      Arai,M.
    • 雑誌名

      The 2012 International Conference on Software and Intelligent Information

      巻: 1 ページ: S002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Feature Extraction Methods for Cartoon Character Recognition2012

    • 著者名/発表者名
      Arai,M
    • 雑誌名

      The 2012 5th International Congress on Image and Signal Processing

      巻: 1 ページ: 542-545

    • 査読あり
  • [学会発表] オフライン手書き漢字を用いた筆者識別に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      相馬歩,荒井正之
    • 学会等名
      情報処理学会第75回全国大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20130306-20130308
  • [学会発表] 音声認識エンジン公開サイトを用いた英語発音練習ツール2013

    • 著者名/発表者名
      津田仁志,荒井正之
    • 学会等名
      情報処理学会第75回全国大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20130306-20130308
  • [学会発表] Javaプログラミングスタイル学習のためのEclipseプラグインツール2013

    • 著者名/発表者名
      荒井正之,荒川侑樹
    • 学会等名
      情報処理学会第75回全国大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20130306-20130308
  • [備考] 荒井研究室ホームページ

    • URL

      https://wwws.ics.teikyo-u.ac.jp/lab/Arai/index.php?AraiLabHomePage

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公開日: 2014-07-24  

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