研究課題/領域番号 |
24501154
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研究機関 | 金沢工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹俣 一也 金沢工業高等専門学校, グローバル情報工学科, 教授 (50167491)
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キーワード | 環境教育 / 地理情報 |
研究概要 |
野外体験学習は環境教育において有効である。その理由は野外体験学習では児童生徒が生態系の仕組みに直接触れることができるからである。その体験に基づいて地域環境から地球環境へと知識をつなげ、その知識を持続可能な社会を構築するための知恵として活用 する。本研究では、空間的思考を支援する地理情報システム(GIS)に時間軸の要素を取り入れた「Web-GIS による野外体験学習支援システム」を開発する。位置座標からその場所に関連する環境・文化財情報を引き出せる、さらにその場所の生態系変遷や人間活動の 歴史に関する情報を閲覧できるようにする。学習者が「その場所の自然環境が人間社会および文化とどのような過程を経て統合されて現在に至ったかを考えてみたい」と思うような野外体験学習支援システムを構築する。 25年度は24年度に引き続き下記内容の研究を実施した。 1)気温・湿度の金沢市内同期観測の教育プログラムの検討:金沢市内中心部50か所および奥能登地区10か所に気温・湿度データロガーを設置し、夏季の地方都市の熱環境状況を調査し、マップとして提供できるようにした。熱環境と人の健康とを関連づけることができる情報 を数値化した。2)大気観測の教育プログラムの検討:スカイラジオメータを用いて大気エアロゾルの光学的厚さの日々の変化を観測した。3)モバイル型の野外体験学習支援システムの開発:Web-GIS構築ツールソフトを用いてモバイル型のWeb-GISシステムの構築を検討し,開発に進めた。4)自然エネルギーの理解を促進するための教材や衛星リモートセンシング画像の科学講座への活用方法を検討し、実践した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金沢市内および能登地区における気温・湿度の観測を順調に終えることができた。また、これまでのデータ等を用いて気温立体模型を製作することができた。大気観測も測器が順調に動作した。土地被覆に着目した科学講座も実施できた。これらのことから研究は順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通りに推進する。さらにリモートセンシングデータの科学講座への活用を検討する。また、観測している気温データから1年間の四季を感じる立体模型を構築していく。次年度は新たに気温とは別の指標を用いて四季を感じる立体模型を製作する。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ整理用のコンピュータを購入する予定であったが次年度において新機種が発表される。より円滑なデータ整理を実施するためにはコンピュータのスペックを比較し、費用対効果を検討することは重要である。そのスペックを確認してから機種選択し購入するため、今年度末の購入を控えている。 次年度の支払い分に今年度の残りを加え、データ整理用のコンピュータを購入する。購入については次年度早々(4月上旬)に実施し、研究遂行の妨げにならないように留意する。
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