研究課題/領域番号 |
24501155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (50387479)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 教授法・学習理論 / 英語教育 / 第二言語習得論 / リーディング指導 / Extensive Reading / 教育工学 / 脳認知科学 / 脳血流量 |
研究概要 |
[研究の目的と方法] 本研究の目的は、英語のリーディング学習法で学習者の習熟度よりほんの少しだけレベルの高い読み物を学習者自ら選択し多量に読む多読(Extensive Reading; 以下ER)(Krashen,1984)が効果的であることを脳科学的に検証し、今後さらに新しい効果的学習法や教授法開発へと発展させることであった。そのため、日本人英語学習者を対象に、一定期間ER学習を実施し、その効果を語彙力、読解力、読解速度の向上および光トポグラフィによる脳活性状態の観測結果から明らかにすることとした。 [研究計画] 平成24年度は、日本人英語学習者を対象に、ER学習前の脳活性状態を観測し、一定期間ER学習を実施することであった。おおむね計画は実行されたが、学習者に対する調査の段階で、学習開始時期において、計画がスムーズに進まないことが明らかになり、ER学習時期を延期した。大幅な変更ではなく時期的な若干の変更であるために3年間の計画に支障はなく、予定通り進められる見込みである。現在、ER学習前の脳活性状態を計測し実験参加者は、ER学習を継続中である。学習者を定期的に調査するため、学習状況の調査をインビューを通して行っている。おおむね、ER学習は順調にすすめられている。ER学習後に、2回目の脳計測を行う。この研究の成果は、国内外における学会、研究会において、従来の認知学的知見からのER学習の効果を、脳科学的に検証し報告する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、日本人英語学習者を対象に、ER学習前の脳活性状態を観測し、一定期間ER学習を実施することであった。 当初の計画に沿って次のことを実施した。1)先行研究収集:第二言語習得、神経言語学の分野において先行研究のレビューを行い次のように実験準備をする。2)ER学習材料の検討 3)課題(理解度測定用)の作成 4)ER の期間や学習者への指示を検討、5)学習者へのアンケート作成 6)実験参加者への同意書作成、 7)実験補助者との事前打ち合わせ 8) 実験参加者の依頼と把握。おおむね計画は実行されたが、学習者に対する調査の段階で、学習開始時期において、学生の実習の関係で時期を遅らせた方が正確なデータが取れることが明らかになり、ER学習時期を延期した。大幅な変更ではなく時期的な若干の変更であるために3年間の計画に支障はなく、予定通り進められる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
1.脳計測2回目を実施:ER学習後 (実施時期 平成25年度後半) 1)TOEFL実施。習熟度変化を観察。脳計測1回目と同様に脳計測を行う。2)データ分析については、実験群内でER学習前後、実験群と統制群の間で得られたデータの比較をする。脳血流量データは統計分析を行う。3)理解度テストの基準は、命題数を基準として採点をする。4)リコールプロトコールデータ(口述式)およびインタビュー結果の分析を行う。5)成果発表については、国内外の雑誌へ投稿する。 2.ER学習前後に光トポグラフィを使用し脳血流量を測定し比較する。データは、ヘモグロビン濃度で示される。データ解析においては、解析範囲のデータを分散に対する相対値として扱うことによって正規化する。その値に基づき、SPSSの統計分析ソフトを使用しノンパラメトリック方式を用い分析し、仮説の検定を行う。インタビュー結果は質的分析を行う。実験の様子をビデオカメラで撮影をし、データ分析の際、画像を基にアーチファクトを取り除く。
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次年度の研究費の使用計画 |
1. 物品費 30万円 2.国内旅費1)調査研究旅費 15万円 2)成果発表 20万円 3. 外国旅費1)成果発表 40万円 4.謝金など 1)研究補助 10万円 2)外国語論文校閲 10万円 5.その他 1)研究成果投稿料 10万円 2)印刷費 10万円 3)その他 66,796円
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