研究課題/領域番号 |
24501156
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
武藤 晃一 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (00267535)
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研究分担者 |
内藤 道夫 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (50135696)
堀場 文彰 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (20290166)
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キーワード | 医療情報教育 / 医療情報技師 / 医療情報システム |
研究概要 |
本研究は、日医標準レセプトソフトと文部科学省大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム「コメディカル養成のための教育用電子カルテシステムおよびデータベースの構築と実践」にて開発された教育用Web型電子カルテシステム(以下、Web型電子カルテ)をベースとした教育用医療情報システム(以下、本システム)を用いて、医療情報技師を目指す人材の学士教育等に活用する手法を検討する。本システムを用いて電子カルテを構築することを体験させることの教育効果を検証することを目的とする。 平成24年度に本システムを構築する過程を体験させる実習手順書(以下、教材)を作成した。本年度は本システムに部門システムとの連携を行う機能の実装する例として、心電図 波形保存システムについて調査検討した。心電図は既存の実習用備品を用い、実際に近い体験ができるよう心電図波形発生装置(ECGチェッカー)を導入した。心電図波形保存システムの導入検討については、分担研究者の事情から進捗が遅れており、本年度での導入を見合わせる状況となった。また、教材についてソフトウェアのバージョンアップへの対応、セキュリティに関する配慮などが必要となり、本年度は教材の修正改良にエフォートの重点を置くこととなった。教材の教育効果を検証する手法については、日本医療情報学会医療情報技師育成部会による医療情報技師育成新到達目標と独立行政法人情報処理推進機構によるITスキル標準V3-2011および各種情報処理技術者試験のシラバスに照らし合わせ、学習可能な項目のマッピング、比較を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度では、昨年度までに概ね整備できた教育用Web型電子カルテシステム(以下、本システム)の開発環境をもとに、部門システムとの連携が体験できるよう機能改善に取り組む予定であった。連携する部門システムとして臨床検査部門システムを想定し、その中でも心電図波形保存システムと連携できる機能の本システムへ実装を検討する予定であったが、分担研究者の事情より連携する心電図波形保存システムの選定および本システムの機能改良について着手できない状況となった。さらに、昨年度試作した本システムを仮想技術を用いたノートパソコン上でスタンドアロンで動作させるためのインストール・構築マニュアルについても、セキュリティに配慮するため本システムを構成するオープンソースソフトウェアのバージョンアップが必要となり、それに伴いWeb型電子カルテシステムのソースコードに一部問題が生じるなど、システム構築およびマニュアルの改良に多くエフォートを割り当てる必要が生じた。 結果として、予定していた研究実施計画が実現できていない状況が発生しており、やや遅れていると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
計画では教育用Web型電子カルテシステム(以下、本システム)に部門システム連携機能の付加を行う対象として、心電図波形保存システムと放射線画像保存システムを想定していた。実装予定だった心電図波形保存システムとの連携は分担研究者の事情から実装が困難な状況が考えられるため、簡易な模擬システムとしての実装を試みる方法に変更し、心電図波形保存システムの導入は行わない方向とする。模擬システムの実装は分担研究者が研究に取り組める状況となり次第着手する。部門システム連携機能は本年度以降に実装を進める放射線画像保存システムとの連携で実現することとしたい。 平成25年度に本システムの構築を体験するためのマニュアル作成に多くの時間が必要となったため、マニュアル作成を支援してくれるアプリケーションの導入を検討する。 本システムを用いた教育手法の開発では、平成27年度以降にカリキュラム作成や実習課題として学生への応用を検討するなど注力したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度では教育用Web型電子カルテシステムに部門システムと連携する機能の実装を試みる計画であり、心電図波形保存システムの導入を予定していた。臨床検査部門の業務内容に照らし合わせ導入すべき心電図波形保存システムの選定や導入後にWeb型電子カルテシステムに対して連携機能の実装を担当する予定の分担研究者が事情により出向の指示を受け、当該年に本研究にエフォートを費やせない事態となったため、結果として導入を見送ることとなり、計上していた導入予算が翌年度へ繰り越されることとなった。 翌年度(平成26年度)では教育用Web型電子カルテシステムに、さらに放射線部門システムの連携機能の実装を計画しており、放射線部門システム(画像保存サーバ等)の導入を検討しする。平成25年度では、教育用Web型電子カルテシステムを構築する過程を体験させる実習手順書のブラッシュアップにエフォートの重点を置くこととなったが、改めて手順書作成作業の負荷が高いことが問題となった。これを受け、Web型電子カルテシステムとの連携のために心電図波形保存システムを導入することは取止とし、出向中の分担研究者に本研究に対してエフォートが費やせる状況となり次第、オープンソース・ソフトウェアを活用した模擬的システムの構築を検討する。 今回生じた次年度使用額については、平成26年度助成金と合わせて、教材開発をスムースに進行されるためのマニュアル作成用アプリケーションの導入に使用したい。
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