研究課題/領域番号 |
24501159
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
井口 信和 近畿大学, 理工学部, 教授 (50351565)
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キーワード | IPネットワーク構築演習 / 学習支援システム / 自動採点 / 仮想ルータ |
研究概要 |
本研究は、これまでに開発したネットワーク構築演習支援システムを基盤技術として用いて、学習者が構築してネットワークの設定の正誤を自動的に判定する演習支援機能と、指導者が演習用の課題を作成する際の作業を支援するための機能の開発を目的とする。具体的な研究開発機能は、(1)ネットワーク機器の設定情報を比較する機能,(2)判定結果を表示する機能、(3)演習課題の作成を支援する機能、の3つである。 昨年度は、設定情報の正誤を確認し、正解率を表示する機能を開発した。正解ファイルの設定情報に対する一致数を正解数とし、その割合(正解率)を学習者に提示した。また、不正解だった項目は、判定結果表示機能によって学習者に提示できるようにした。これにより、学習者に、間違っている項目を一覧形式にして提示することができた。しかし、昨年度の結果表示では、正解または不正解の項目が表示されるだけであったため、初学者にとっては不親切なものであった。 そこで本年度の研究において、不正解だった項目の詳細を表示できるようにした。これは正解へのヒントが含まれており、初学者はその内容をもとに、自分だけで演習を進めることができるようになる。これより、自宅学習などで近くに指導者がいない場合でも演習がスムーズに進む。また、限られた演習時間内で、効率的に演習を進めることができるため、学習のつまずきを少なくすることができるようになる。さらに、演習課題の作成を支援する機能の基本部分を開発し、課題用トポロジーの自動作成と課題文章の入力が可能な機能を実装した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において計画している具体的な開発機能は、(1)ネットワーク機器の設定情報を比較する機能、(2)判定結果を表示する機能、(3)演習課題の作成を支援する機能である。 (1)のネットワーク機器の設定情報を比較する機能と(2)の判定結果を表示する機能の一部は昨年度の成果として開発が完了している。本年度は、(2)の判定結果を表示する機能に、より詳細な説明(正解へのヒント)を表示する機能を追加開発した。さらに(3)演習課題の作成を支援する機能の一部の実装が完了している。以上より、本研究は計画どおり研究開発が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、演習課題作成部の完成と評価実験を計画している。演習課題作成部は、指導者による演習課題の作成を支援する機能である。 演習課題は、指導者が仮想ネットワーク構築演習システム上に演習課題となるネットワークを実際に構築し、その設定情報を正解の解答データとしてファイルに保存することで作成する。本機能を使って、指導者は次の手順で解答データを作成する。(1)本システムの起動、(2)文章による演習課題の作成、(3)演習課題レベルの設定。 本年度の前半ですべての機能の開発を完了する予定である。その後、学習者による利用評価と指導者による評価を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末の学会発表の旅費の計算において、残高が発生したため。 国内旅費または消耗品費で使用する予定である。
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