研究課題/領域番号 |
24501165
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
星野 浩司 九州産業大学, 芸術学部, 准教授 (60552205)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ミュージアム / コンテンツ・アーカイブ / バーチャルリアリティ / 情報システム / 電子デバイス・機器 / 複合現実感 |
研究概要 |
本研究は、水族館という水生生物を生きた資料として扱う科学系博物館を基盤とし、子供たちが積極的に学習できるエデュテインメント志向の透過型液晶モニタ(以下、透過型LCD)を用いた体験型学習支援システムを設計・開発するものである。平成24年度は、研究に関連したシステムの研究・分析として、国内外の先進的施設や関連研究について調査を行っており、それらの事例における問題点や課題点の抽出と分析を行っている。訪問した施設としては、(フランス)ルーブル美術館/ルーブル・ランス美術館/ポンピドゥー・センター、(石川県)金沢21世紀美術館、(沖縄)美ら海水族館を調査している。その他、関連論文や著書等についても調査を行った。また、それらの事例に関する分析データを基礎として、開発システムの基礎設計と開発を行っており、次年度へ向けた基礎研究資料の構築を行なっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画である平成24年度「国内外の先進事例の調査と分析、資料収集」として、国内外の先進事例について調査・研究を行うため、(フランス)ルーブル美術館/ルーブル・ランス美術館/ポンピドゥー・センター、(石川県)金沢21世紀美術館、(沖縄)美ら海水族館へ訪問している。特に、(フランス)ルーブル・ランス美術館は(石川県)金沢21世紀美術館と同じ設計者によって2012年12月に開館している。本施設では、これまで、国内の印刷大手企業である大日本印刷と共同で研究してきた先進的展示支援システムをはじめ、実験的とも言える新たな展示手法を駆使した美術館として、これからの国内外に向けた展示支援システムの大変貴重な基礎資料を収集することが出来た。また、これら貴重なデータを詳細に分析することで、次年度の機器開発に向けた基本設計における質の高い基礎データとしている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、国内外の関連施設における調査・研究による分析データを基礎として、開発システムの基礎設計を行っており、平成25年度における開発としては、前年度の基礎設計データを元に、データ開示のシステム設計と公開用サーバを試験的に立ち上げ、その実装を行なう予定である。また、設置が可能となった段階で大学内にある開発拠点を実験予定の海の中道マリンワールドへと移送し、試験運用を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度において調査・分析作業の効率化を図ることで、作業人数を抑えることが出来ため、当初計画の予定額より実質の人件費に差額が生じている。この費用を次年度の開発費に繰り越す。 平成24年度の調査・研究基礎データを資源とし、透過型LCD(透過型液晶モニタ)の開発とICカードを介した来館者の体験ログ情報の収集・分析システムによる新たな学習支援システムの詳細設計と機器開発を行う。 1)透過型LCDを用いた次世代型学習支援システム:タッチパネル方式を採用した透過型LCDを水族館の水槽に設置し、ガラス面が透過した状態で、水生生物の動画・テキスト・音声情報等を主体的に操作しながら閲覧が可能となる学習支援システムの開発。 2)ICカードを用いたサーバ連携システム:各水槽のコーナー別に用意されたICカードを来館者が1枚ずつ取得し、個人認証を行うことで、解析サーバに各個人のログ情報(徘徊行動ログ、滞留ログ、閲覧嗜好性ログ、来館頻度ログ等)が蓄積され、各個人のミュージアムリテラシーに準じ、来館者の嗜好性に合わせた最適な学習情報や学芸員側でデザインした「おすすめルート」の提案による誘導を可能とするシステムの開発。
|