研究課題/領域番号 |
24501167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北星学園大学短期大学部 |
研究代表者 |
森越 京子(横山京子) 北星学園大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40299730)
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研究分担者 |
吉田 かよ子 北星学園大学短期大学部, その他部局等, 教授 (20210685)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 フィリピン / 国際情報交換 香港・アメリカ |
研究概要 |
初年度は、グローバルネットワークを活用して研究会の開催や授業実践で、新しいホスピタリティ教育の可能性を探った。6月~7月には、海外からの講師(Dr. Andy Nazarechuck, President, Asia Pacific CHRIE, Former Dean of University of Nevada Las Vegas Singapore Campus)を招聘し、また国内の観光ホスピタリティ産業従事者や教育研究関係者からの協力を得て、研究会を実施することができた。札幌国際観光セミナーには約100名、ニセコ国際観光セミナーには、約50名が参加し、活発な意見交換が行われた。これらの研究会は「ホスピタリティと観光」科目の特別プロジェクトとして、受講学生が、計画、準備、実施に携わった。これらの取り組みから、講義形式の授業だけでなくプロジェクト型の「経験学習」を取り入れることの有効性を実感した。また、観光ホスピタリティ産業従事者や専門家とのネットワークを広げることができた。 研究調査として、「ホスピタリティ」の概念について、また、観光ホスピタリティ教育に関する教育プログラムについて国内外で調査を行っている。これらの調査結果をさらに発展させて、具体的なホスピタリティ教育・語学教育・キャリア教育への提言を行いたいと考えている。 観光ホスピタリティ産業における外国語の必要性、異文化理解、外国人観光客の受け入れについて、文献研究および地域の企業の方からの意見を聞き、研究を進めている。途中経過であるが、これらの研究の一部を、JACET 北海道支部大会や日本コミュニケーション学会北海道支部大会で報告する機会を持つことができ、地域の研究者・教育者と情報を共有することができたことが大変有益であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献研究、研究会の開催、授業実践、研究発表は、計画通り順調に進んでいる。国内、海外視察については行き先を一部変更し調査を行ったが、計画すべてを実行するには至らなかった。この点については、平成25年度に引き続き調査を行いたい。 文献研究については、「ホスピタリティ」の概念について、海外と日本の文献から調査を進めている。さらに日本の観光ホスピタリティ教育に関する教育プログラムについて、研究紀要やジャーナルだけでなく、企業や観光庁からのデータを活用して順調に進めている。日本の観光ホスピタリティ関連の研究について英語で書かれたものが少なく、日本の現状についての英語でどのように表現していくかさらに調査が必要である。 研究会の開催は順調に進展し、研究会の期間、規模ともに計画以上の規模となった。また、授業実践としても、学生が研究会を運営するプロジェクト活動や、ゲストスピーカーによる英語講義を実施することができ、新しいホスピタリティ教育の形を試みることができ、学生の満足度も高く、教育効果が高い取り組みとなった。 海外インターンシップの可能性について、フィリピンにて調査を行ったが、平成25年度に、香港、タイなど、更なる可能性を探る必要がある。研究発表は、計画通り先行研究をまとめて香港の国際学会で発表できたとともに、地域の研究会やシンポジウムにて、発表者として招かれ、研究の一部を報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、5月にタイ王国ジュシタニカレッジ学長Ms. Veera Pardpattanapanich を招聘し、タイにおける国際観光の現状について講演を行う。また、ホスピタリティ教育の在り方について、Ms. Veeraと地域の企業の方や教育関係者と意見交換の場を持つ。Ms. Veera滞在中のイベントは、「ホスピタリティと観光」科目の特別プロジェクトとして、学生が積極的に関わるように計画し運営する。授業実践として、特別プロジェクトの実施とその評価を行う。また、英語テキストの効果的な活用方法について研究を進める。国内・海外インターンシップ計画・実施に向けて準備を進める。 ビジネスにおける異文化理解について、地域の専門家からその現状を聞き、外国語の必要性・異文化理解について調査を進める。学生へのアンケート調査、企業の専門家へのインタビュー調査の形で、調査を行う。その結果から、最適な語学・異文化理解トレーニングの教授方法について考察を行う。 これまでの研究の成果は、発表や論文の形で報告する。まず、観光ホスピタリティビジネスにおける異文化体験・異文化理解についての調査の結果は、2013年5月25-28日World Conference on Hospitality, Tourism and Event Research & International Convention & Expo summit 2013 (Bangkok, Thailand)にて発表の予定である。 平成24年度の研究全般の成果と、平成25年度前半部分の調査報告を現在作成中であり、平成25年8月までに報告書の形でまとめる予定である。この内容については、大学英語教育学会JACET第52回国際大会 特別企画 「グローバル人材育成のための大学英語教育の取り組み」のポスターセッションにて発表予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、5月にタイ王国ジュシタニカレッジ学長Ms. Veera Pardpattanapanich の招聘に関して、旅費、会議費を予定している。 また、国内の調査・海外の観光先進地域で、「ホスピタリティ]とは何か、欧米との違いや独自性があるのか、聞き取り調査を中心に明らかにし、これからの「ホスピタリティ教育」の方向性を探る。そのため、海外への渡航費(香港・タイ王国)や国内での旅費が必要となる。また、外国人観光客の滞在型休暇のあり方に関する調査を、国内の観光地で行う(道内・京都)。これらの調査への旅費、調査協力者への謝金、また、会議費への支出がある。 平成24年度の研究全般の成果と、平成25年度前半部分の調査報告を作成するにあたり、印刷製本費への大きな支出が予定されている。 テキスト作成に向けて、準備費として、インタビュー協力や原稿執筆者への謝金支払いの予定である。
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