研究課題/領域番号 |
24501168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 釧路工業高等専門学校 |
研究代表者 |
野口 孝文 釧路工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (20141856)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 学習支援 / 教材開発 / 授業支援 / マイクロワールド / Webble / IntelligentPad |
研究概要 |
アラン・ケイがダイナブックのコンセプトを提唱してから40 年近くになるが,コンピュータ上のツールやデータを自由に組み合わせたり編集したりすることは未だ実現できていない.たとえばe-Leaning システムは多くあるが,提供される教材の変更やこれを他の教材と組み合わせて利用することができるシステムはない.知識を組み合わせてより高度な知識を得ることができるように,ツール同士もまた組み合わせて用いることができるようにすることは当然の要求である.我々は,コンピュータ上で直接操作ができるオブジェクト部品を組み合わせることで,上述の問題を可能にした学習支援システム(IntelligentPad)を開発し教育に利用してきた. 本研究は,ウエブブラウザ上に教材を配送し利用できるばかりでなく,学習者自身が教材を編集したり他の学習者が容易にそれを利用したりする学習支援システムを実現する. 我々は,教材やツールを自由に組み合わせたり編集したりすることができる学習支援システムを開発してきた.本研究では教材作成に利用してきたこれらの機能をウエブブラウザ上で利用できるようにして,学習者自身が試行錯誤した教材をどこでも再利用できるようにする. 本研究は,研究目的の欄で述べたWebble を用いて実現する.Webble のメッセージ制御はこれまで教材開発に用いてきたIntelligentPad と類似している点も多いが,ウエブブラウザ上で動作させるために制約も多い.そのため本研究は,4 年間の継続研究で,1 年目は基本的な部品のいくつかを移植すると同時に,これまでプログラミングの授業で多用してきた手続き部品の開発に着手する.2 年目には,手続き部品を完成させる,3 年目からはこれらの教材を授業で利用する.最終年度は,3 年目の結果を評価し,他の教育機関でも利用可能な教材を作成する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々は,教材やツールを自由に組み合わせたり編集したりすることができる学習支援システムを開発してきた.本研究では教材作成に利用してきたこれらの機能をウエブブラウザ上で利用できるようにして,学習者自身が試行錯誤した教材をどこでも再利用できるようにする.本研究は,Webbleを用いて実現する.Webbleは北海道大学で開発したシステムで,そのメッセージ制御はこれまで教材開発に用いてきたIntelligentPad と類似している点も多いが,ウエブブラウザ上で動作させるために制約も多い.そのため本研究は,4 年間の継続研究で,1 年目は基本的な部品のいくつかを移植すると同時に,これまでプログラミングの授業で多用してきた手続き部品の開発に着手する. 24年度は,基本的な部品のいくつかを移植すると同時に,これまでプログラミングの授業で多用してきた手続き部品(C 言語インタプリタ)の開発に着手した.また,以下の項目を順に実施している. 1) サーバおよび開発用コンピュータを導入し環境の設定.2) Webble の開発環境をコンピュータに設定.3) テンプレートを用いWebble(Webble システムに作成したオブジェクトもこう呼ぶ)を作成することで,基本的な開発方法をマスター.4) 3)で作成したWebble をサーバに設定し,新規部品の配送を実現.5) プログラミング教育に用いる,手続き部品の作成に着手.本手続き部品で扱うインタプリタは,「C」言語のサブセットとする.6) テキスト入力部品を開発する.プログラム入力に用いるため,その操作性も考慮して開発を開始した.以上について,試行錯誤しながら開発を行っている. 本年度は,インタープリタの開発にやや手間取っているが,ほぼ予定通り推進している.
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今後の研究の推進方策 |
25年度は,24 年度に実施した結果に基づき教材の改良を行う.インタープリタのプロトタイプを完成させる予定である.IntelligentPadシステムには,数百の部品が開発されているが,そのうち汎用性の高い部品について,操作性を考慮しながらWebbleシステムに移植する.25年度は,基本的な部品のいくつかを移植すると同時に,これまでプログラミングの授業で多用してきた手続き部品を完成させる.また25年度には,小型の余り性能の高くないコンピュータを導入し,システムの操作性について評価する.ここでは,以下の手順で研究を推進する. 1) 24年度の5)で開発する手続き部品とその他の基本部品について,教材を試作しながら,問題点の洗い出しと修正を繰り返す.2) 基本部品の種類を増やす.3) パーソナルコンピュータを導入し,操作性を評価する.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の主たる項目は,研究打ち合わせおよび成果の発表のための旅費である.
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