研究課題/領域番号 |
24501169
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研究機関 | 釧路工業高等専門学校 |
研究代表者 |
千田 和範 釧路工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (30342562)
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キーワード | 教育工学 / グループ学習 / 学習教材 / 学習支援 |
研究概要 |
本研究では,グループ用のリハビリ訓練の教材において,障害の状況に左右されずに使用でき,訓練時の動機づけを向上させることで訓練を活性化する支援インターフェースを開発することを目的としている.今年度は平成24年度で実現した入力デバイスモジュール化と自動化のための計測技術の確立の実績を踏まえ,失敗や経験不足による動機づけの低下を改善するための機能として,難易度調整機能の実現を目指した.ここでは従来から開発を続けている電磁石による鉄球加速を行う反射神経訓練教材に対し,訓練を支援する制御モジュールを付加し,習熟度に合わせた補正を自動的に行うために次の調整機能の実装を行った. 1.鉄球操作時の操作有効区間の拡大 2.鉄球加速用電磁石の自動制御 まず,項目1を実現することで,訓練における操作の際にタイミングがとりやすくなることが可能となった.また項目2より訓練者のミスをリカバリーし鉄球を停止させずに訓練が継続させることも実現できた.これにより訓練者の失敗数が大きく減少し,集中力の低下や動機づけを低下させることなく訓練が行うことが可能となった.また常にグループで訓練するのではなく,一人で訓練することも可能にしてほしいとの声もあり,よって今回は自動制御部分の機能を改良することで,グループが揃わなくても一人で訓練できる機能も実現している.なお訓練効果の視覚化として簡易脳波計によるデータ提示についても実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ここでは今年度に達成した,訓練の持続に必要な動機づけを向上させるための難易度調整機能等について説明する.これまでの訓練教材では鉄球を加速させる性質上,操作有効区間に到達する時間間隔が周回速度に応じて変化する.したがって,訓練対象者によってはタイミングが取れない問題点があった.そこで,次の改良を施すことを考える. 1.操作有効区間の拡大 2.加速用電磁石の自動制御 まず,項目1を実現することで,タイミングがとりやすくなることが期待できる.反射神経訓練教材の難易度を補正する機能は,検出用モジュールと,速度検出用モジュールからのデータ処理を行う支援インターフェースから構成される.支援インターフェースに搭載されたマイコンユニットは,鉄球の周回速度から最適な電磁石制御タイミングを計算し,電磁石を操作することで,訓練者に操作有効区間が拡大したと感じさせることができる.また,実際には補正しきれずに鉄球が減速して停止してしまうことがある.このような操作失敗は訓練継続にとって問題となる.そこで項目2に示す自動制御機能を追加することで,訓練者のミスをリカバリーし鉄球を停止させずに訓練が継続できるようにする必要がある.今回は項目1で実現した支援インターフェースを利用することで自動処理を実現する. なお,項目1,および2の実現過程で,習熟度に応じた操作支援量の更新機能が必要となることが明らかになった.この機能は訓練者の操作タイミングの時系列データから,タイミングのばらつきを判定し,その結果をもとに操作有効区間の拡大縮小を実施する必要がある.ただし,現状の機材では能力不足のため実装できないことも明らかになった.これらは次年度の課題となる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は次の課題の実装である. 1.習熟度に応じた操作支援量の更新機能の実装 2.訓練達成度の可視化または評価法の検討 3.多様なグループ向け訓練教材への支援インタフェースの実装 まず項目1を優先的に実施することを検討している.ただし,現状のシステムでは実装のために機能不測のためインタフェースの制御機の更新を考えている.また今年度は達成度の資格化として簡易脳波計を試用したが,その有用性を含め評価法を検討する.最後に項目1,2の達成の目処が立った時点で,その他の訓練教材への適用を検討していく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
物品購入などが安価に抑えることができた. 今年度明らかになった問題に対応するため消耗品の購入に使用する.
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