研究課題/領域番号 |
24501174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
内藤 隆宏 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50552155)
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研究分担者 |
小田 竜也 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20282353)
岡田 昌史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70375492)
石川 浩一郎 千葉工業大学, 社会システム科学部 教育センター, 准教授 (00468547)
讃岐 勝 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (40524880)
磯辺 智範 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70383643)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | eラーニング / 大学間連携 |
研究概要 |
本研究は、近年の大学GPなどで多くの取り組みがなされている大学間連携における共用eラーニングの利活用を促進させるため、がんプロフェッショナル養成プラン(がんプロ)において、共用eラーニングにて効果的な大学間連携を成したPJ型e-learningの実運用データを用いて大学間連携における共同利用e ラーニングシステム、特にPJ型e-learningがどの程度の大学間連携規模でも有効かを明らかにすることである。 本年度はH19からH24のがんプロで運用された3大学共用PJ型e-learningの運用データから個人情報を除外する作業を含めたデータ・クレンジングを実施して、要素還元的手法による網羅的なデータ解析を行った。なお、本年度予定した構成論的手法であるマルチエージェントシミレーション(MAS)の実施はデータが当初想定したよりも複雑であり、モデル設計に必要な各種パラメータの初期設定値の導出ができず、エージェントの設計を含むモデル作製が当初計画したよりも遅延しており実施出来なかった。一方で当初想定していなかったこととして、学生のe-learningによる学習時間帯が平日夜および土日の昼間に偏っており、学習締め切りの2ヶ月程度前から駆け込みで聴講している割合が多いことが明らかになり、締め切り前が聴講のピークとなることが示され、e-learningのシステムこの時のピークを想定した設計を行うことが必要であるという知見を得た。一方で、学習時期が締め切り間際に集中する原因として適切な学習支援、特に学習メンタリングが適切に実施されていないことに起因すると思われ、学生が規則正しく学習活動の実施を促すためにメンタリングの観点からも研究することが望まれることを明らかにした。 本年度の研究成果は教育システム情報学会H24年度第6回研究会に発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は解析対象となるe ラーニング学習者の聴講データなどの運用データを解析に適するようにデータ・クレンジングを実施して、そのデータを統計的手法、クラスタリング手法なども含む要素還元的手法によって実施したのち、マルチエージェントシミレーション(MAS)に必要な各種パラ-メータおよびルールの導出を行い、MAS実験を実施することを計画していた。 そのうち、本年度に実施できたのはデータ・クレンジング、データの統計的解析までを実施して、その研究成果を教育システム情報学会第6回研究会にて発表を行った。クラスタリング手法に関しては探索的に解析を行っており、統計的手法とともにMAS実験に必要な、各種パラメータなどの導出を行っている。学習歴データからMAS実験を含めて、どのようなシミュレーション方法が適切であるについて文献他調査を実施したが、MAS実験を行うところまでは実施できなかった。MAS実験を含むシミュレーションの実施と評価は次年度の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度実施予定だった、マルチエージェントシミュレーション(MAS)実験に必要となるエージェント設計をデータ分析が十分に行えなかったため、シミュレーション実験を実施できず、その実験結果を受けて実施する主観的評価が実施もできなかった。H25年度はこれらの遅れを取り戻すために、H25年度で予定していた確率論アプローチによる要素還元的手法による解析を実施せずに、MAS実験を重点的に実施する。 一方で本年度はメンタリングなどの学習支援が重要であり得るという知見を得た。e-learningの全国レベルの共用化が進んでも、学生の学習に活用されなければ意味が無くなってしまうため、メンタリングのあり方とその自動化手法の検討を行うこととして、この分野における研究者である島根大学 七田講師に本研究の分担研究者になっていただき、本知見をもとにその成果を自動化するLMSの適用可能性を検討するために北陸先端科学技術大学院大学 長谷川准教授に分担研究者になって研究を進めていく。 研究成果はH24年度に研究会にて発表した内容を論文誌への投稿の準備を進めていくとともに、H25年度の本研究によって得られる研究成果も学会・論文として公表を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度はMAS実験による評価とその検証に重点が置かれるため、H24年度にて遅れているMAS実験の遅れを取り戻すために、H24年度の未執行予算をMAS実験に関わる研究に対して重点的に配分を行う。一方で本年度はメンタリングなどの学習支援が重要であり得るという知見を得た。このため、メンタリングのあり方とその自動化手法の検討を実施するために、メンタリングおける研究者である島根大学七田講師に本研究の分担研究者とLMSの適用可能性を検討するために北陸先端科学技術大学院大学 長谷川准教授に分担研究者になって研究を進めていくため、これらの研究分課題に関してはH25年度で予定していた確率論アプローチによる要素還元的手法による解析を取りやめて、その研究費をそれぞれの研究分担金として捻出する。
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