歯科医師に求められる技術には、講義や実習だけでは正確に教えることの難しい要素が存在する。そこで本研究は、文章や言葉では説明しづらい治療のポイントを効果的に学習者に伝えるために、経験を積んだ歯科医師が処置中に見ている部位、すなわち術者と同じ目線で処置を見ることが治療技術習得に与える影響を調査した。代表的な高頻度一般歯科治療である支台歯形成、印象採得について術者目線の動画教材を作成し、研修歯科医を被験者としてその効果を確認したところ、治療結果には一定以上の成果が表れた。このため、術者目線で作成した治療に関する動画教材は歯科治療技術の早期習得に有用であることが示された。
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