研究課題/領域番号 |
24501184
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
益子 典文 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (10219321)
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キーワード | 教師研究 / 教材開発 / 教員研修 / ルーブリック |
研究概要 |
研究初年度に引き続き,教員研修用ルーブリック開発の基礎となる教師が素材を選択し教材化する過程のパフォーマンスの調査を行った。これらの調査は,初年度に構成した素材の教材化モデルを補強するための調査である。 (調査1)初年度構成した「素材の教材化モデル」では,新しい教材を開発する活動はほとんど見られなかった。そこでベテラン小学校教師(経験19年目)を対象として,新教材開発過程に限定したインタビュー調査を行った。その結果,次の2点が示された。第一に,新教材開発のためには,学習者に関する豊かな知識ベース(児童生徒の学習活動に関する知識)がアイドリングのように常に利用できる状態で活性化されていることが必要であること。第二に,教材となりうる様々な素材を選択する過程(素材選択過程)と,それら素材を実際に授業の中に位置づける過程(学習活動設計過程)は独立した過程であること。学習者に関する知識ベースの豊かさによって,教師の教材開発能力の基準を作成することができると考えられる。 (調査2)ベテランの小学校教師2名,中堅の中学校数学教師1名にタブレット端末を貸与し,常に携帯しつつ,教材となりうる素材に出会った場面で写真による記録を依頼した。この調査は現在も継続中であり,教師がICTやデジタルコンテンツ,タブレット端末をどのように認識するかも含め,最終年度に成果報告の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ルーブリックの具体化がやや遅れ気味であるが,研究初年度の理科教師の調査結果を受け,新教材の開発過程に焦点を絞ったことにより,基礎的研究はおおむね順調に進展している。さらに調査方法を工夫し,教師にタブレット端末を貸与した上で素材の教材化過程双方の調査を並行して進めていることにより,教師の教材開発活動におけるデジタルコンテンツやICTなどへの影響も同時に調査できる。これらは最終年度に総合する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
素材の教材化過程のモデルはおおむね完成したため,学習活動に関する知識ベースの内容について精査し,ルーブリックの開発を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
新教材開発の調査期間が延長されたことに伴い,調査旅費・成果発表がずれ込んだため。 調査旅費・学会研究会・大会参加旅費として利用する予定。
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