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2012 年度 実施状況報告書

コーパスを活用した英語技術文書の作成を支援するWebアプリケーションの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24501185
研究種目

基盤研究(C)

研究機関静岡大学

研究代表者

宮崎 佳典  静岡大学, 情報学部, 准教授 (00308701)

研究分担者 田中 省作  立命館大学, 文学部, 教授 (00325549)
小山 由紀江  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20293251)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードe-Learning / 英語技術文書 / コーパス / Webアプリケーション / 簡略化
研究概要

初年度は,予定通り,調査活動なども含めてWebアプリケーション全体の枠組みを確定した.その中でも,特に実用性に向けてパーソナライゼーション,そしてユーザビリティを考慮したインタフェース開発に注力した.この2点はユーザー視点に立ったWebアプリケーション開発に向けては,避けては通ることのできない重要な側面である:
・パーソナライゼーションへの詳細アプローチに向けた取り組み…これについては,今まで当該システムに対し,ゲストアカウントのみを用意していたのに対し,アカウント生成の機構を用意し,さらにアカウント別入力ログを記録するようにした.これにより,ユーザーは過去の入力履歴を振り返ることができ,または編集を行うことで新たな入力が可能となった.パーソナライゼーションやソーシャルスタディーを最終目的とする本研究の第一段階としての役割を果たした.
・学習者特性を考えたインタフェースに向けた取り組み…すでに開発されていたプロトタイプでは,パイロット実験の結果,ユーザーにとって使い勝手の良いシステムとは言い難い側面も露呈したため,従来の類似文検索機能に加えてパターン検索機能も実装し,ハイブリッドに検索を可能とした.このように選択肢を増やすことで,相互補完的にユーザーがシステムを操作できるようになった.
以上を実装した上で,実験協力者に対して,パイロット実験を行い,実際の英文技術文書作成試行ならびにヒアリングを実施した.
これら研究の成果として,すでに国際学会発表(ILAC2012),報告書執筆(統計数理研究所共同研究リポート)を終え,かつ,2013年度開催の国際学会(EISTA2013)での採録通知を得ている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書内にあるように,初年度は以下の手順によるアプローチに忠実に,基本的な機能に加え,さらにそれらを拡張的に実装した:・Step 1.[同義語グループによる置換]・Step 2.[n-gram,特徴表現の抽出]・Step 3.[類似文抽出]・Step 4.[文例の簡略化]
これにより,本研究で謳っている「英語学習者の実際の学習プロセスに可能な限り符合し,学習者のニーズにあった学習効率の高い技術文書作成支援システム(の構築)」に必須な,以下の4つのPointについて実現することができると考えられる:・Point 1. 当該分野のオーソライズされた技術文書から自分が書きたいものに似た英文を探し,それを手本にする ・Point 2. 随時類似した単語や表現に置き換えて検索する ・Point 3. 技術文書に特有の,当該分野毎の特徴表現やコロケーション(語の組み合わせ)に重み付けする ・Point 4. 文構造が明確化されるような簡略化機能を用意する
これらに加え,パーソナライゼーションへの詳細アプローチに向けた取り組み,学習者特性を考えたインタフェースに向けた取り組みについても行った.
よって,3年計画の研究内容であることを照らし合せてみて,高い達成度を認めることができるのではないかと考えられる.
以上を鑑みて,本研究は順調に推移していると判断する.

今後の研究の推進方策

今後は初年度に詳細に行ったWebアプリケーションの全体の枠組みに沿って実装を進めることが中心となる.プロトタイプとしてすでに作成していたアプリケーションならびに新たに敷設したパターンマッチング機能を複合的にかつシームレスに使うことができるようなアプリケーション構築を考案する.また,ユーザーサイドに立ち,パーソナライゼーションの観点から行うことができるサポート体制について熟考する.特に,ユーザーが残した学習履歴に対し,ソーシャルスタディーも含めて,今後どのように利活用が可能か検討していく.さらに,コーパスデータの拡充(分野,データ数を含めて)も計画している.当面は,非公開サーバとして本システムを実装し,研究者間において実装途中のアプリケーションが常に観察・アクセス可能な環境を整える.完全に公開用Webアプリケーションとして移行するのは年度半ばになると予想している.また,年度末あるいは最終年度に国外での実験を計画しているため,平成25年度中に実験受け入れ先担当者との打ち合わせを行う.また今後の研究を推進するにあたり,以下の研究費使用計画を遂行する.まずは公開用のサーバを購入する.これは,本年度中にサーバを公開することを考えているためである.また,実験を行うため,そのために必要な費用(試験監督代,実験協力者に対する謝金など)も計上している.被験者は国内外から募りたいと考えている.さらに,それらのデータを保管・管理するために,外付けHDD(ハードディスク・ドライブ)も購入の予定である.国際学会にも参加し,発表の予定である(すでにH25年度内に1つ発表が採録され,発表が決定している).

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 技術文献コーパスを用いた英文書作成支援ツールの開発 -類似文検索機能とパターン検索機能-2013

    • 著者名/発表者名
      山本 昇平, 宮崎 佳典
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 295 ページ: 71-95

  • [学会発表] A Tool Supporting Writing Technical Documents in English Using Corpora: Retrieving Functions by Cosine Similarity and Pattern Matching2013

    • 著者名/発表者名
      Y. Miyazaki, S. Tanaka, Y. Koyama
    • 学会等名
      The 11th International Conference on Education and Information Systems, Technologies and Applications (EISTA 2013)
    • 発表場所
      Doubletree by Hilton Orlando at SeaWorld (USA)
    • 年月日
      20130709-20130712
  • [学会発表] Development of Corpus-assisted Research Paper Writing System for Science and Technology Students2012

    • 著者名/発表者名
      Y. Koyama, S. Tanaka, Y. Miyazaki, M. Fujieda
    • 学会等名
      5th Independent Learning Association Conference 2012 (ILAC2012)
    • 発表場所
      ビクトリア大学ウェリントン校 (New Zealand)
    • 年月日
      20120830-20120902
  • [備考] □技術文書作成援用ツール

    • URL

      http://lmo.cs.inf.shizuoka.ac.jp/~yamamoto/ewss/web/index.php

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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