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2013 年度 実施状況報告書

コーパスを活用した英語技術文書の作成を支援するWebアプリケーションの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24501185
研究機関静岡大学

研究代表者

宮崎 佳典  静岡大学, 情報学研究科, 准教授 (00308701)

研究分担者 田中 省作  立命館大学, 文学部, 教授 (00325549)
小山 由紀江  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20293251)
キーワードe-Learning / 英語技術文書 / コーパス / Webアプリケーション / 簡略化
研究概要

二年目にあたる本年度は,初年度に行った全体の枠組み策定ならびに基本構造部分のWebアプリケーション構築に加え,以下の4点について開発を行った:
1.解答機能の実装;類似文検索,フレーズ検索ともに検索結果画面の下部に解答欄を実装した.2.ログ取得プログラムの実装;最終目的である,パーソナライゼーションを行うために,下記のログを取得できるようにプログラムを実装した.・解答の変更箇所・閲覧した簡略化結果とその元となる例文・英作文時に参考にした例文の同定.3.解答時のログ閲覧機能の実装;上述のログと入力履歴を用いて,ユーザが英作文した際の履歴を時系列で閲覧できるようにした.4.文例の簡略化のユーザインターフェースを改良;下記,4点に着目してインターフェースを変更した.(ア)表示;別ページに表示する仕様を,同じページに表示するように変更した.(イ)簡略化の段階;重複した内容を含む30段階の簡略化結果を,重複内容を排除した仕様に変更した.(ウ)簡略化したい例文とその簡略化結果の対応関係;例文と簡略化結果の対応関係をマウスオーバーした際のハイライトによって対応を追えるように変更した.(エ)品詞情報;単語や句の品詞に関する情報を排除した.さらにコーパスの拡充なども行った.
これら研究の成果として,すでに複数の国際学会発表や報告書執筆(統計数理研究所共同研究リポート)を終えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書内にもあるように,二年目にあたる本年度は以下の
Step 1.[同義語グループによる置換]・Step 2.[n-gram,特徴表現の抽出]・Step 3.[類似文抽出]・Step 4.[文例の簡略化]
の各モジュールに対する拡充を行った.特に,Step4の文例の簡略化,ならびにパーソナライゼーションへの詳細アプローチに向けた取り組み,学習者特性を考えたインタフェースに向けた取り組みについても行った.さらに,全ステップに対しての実装が基本部分についてのみではあるが完了したため,実験や評価も行うことに成功した.今までわかりづらかったとされたインタフェースについても改善が施され,その部分については実験結果からも相対的に良好な被験者からのフィードバックを得ることができた.
よって,3年計画の研究内容であることを照らし合せてみて,おおむね順調に推移しているとしてよいのではないかと考えられる.以上を鑑みて,本研究は順調に推移していると判断する.

今後の研究の推進方策

プロトタイプとしてすでに作成していたアプリケーションならびに新たに敷設したパターンマッチング機能を複合的にかつシームレスに使うことができるようなアプリケーションは構築されたが,まだそこには実用的な価値が十分に見出せていないことが実験結果からも明らかになっている.これについては我々研究グループは以下の2点を改善することで到達が可能であると考えている.
1つ目はインタフェースの改良である.特に簡略化機能は文法や構文構造をユーザに情報提供するため,適切な表示ならびに情報提供が必須である.2年目には必要最低限の表示を行い,用語説明も同様であったため,今後はユーザに立体的で簡易な説明を行うような表示・提示方法が必要となる.
2つ目はコーパスからの類似分抽出に関わるアルゴリズムの高性能化である.現在,n-gramの概念を適用することで,コーパス文に内在する文法的構造を疑似的に抽出しているが,句構造が複雑で,名詞句や副詞句が複雑になるとn-gramの精度は極端に低下してしまう.これに対し,チャンキングを行うことで,文法構造を的確に抽出することを試みる.さらに,その中でも特に重要な文法項目を学習参考書などから抽出を行い,各々の文法構造に対しても重みを加えることで,マッチング処理を高度化する.また今後の研究を推進するにあたり,最終年度の研究費使用計画を遂行する.実験を行うため,そのために必要な費用(試験監督代,実験協力者に対する謝金など)を計上している.被験者は国内外から募りたいと考えている.さらに,それらのデータを保管・管理するために,外部記憶装置を購入の予定である.国際学会にも参加し,発表の予定である(最終年度でもあり,複数回の国際学会,国内学会,研究会などで発表をする計画を立てている).

次年度の研究費の使用計画

2013年度は研究代表者が勤務大学の教員長期出張制度において半年間の間海外(アメリカ合衆国ノースカロライナ州ノースカロライナ州立大学)で別プログラムの研修を行っていたため,前半部分については使用が予定していたものに比べて,若干履行不良となった.
当初計画されていたものを見直し,昨年度の消化不良分を合わせて,今年度の計画に組み込んだ.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 科学技術英語の学習語彙リスト再考:米国高校教科書を分析して2014

    • 著者名/発表者名
      小山由紀江
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 未定 ページ: 81-96

  • [学会発表] Identifying Discipline-specific Expressions Based on Institutional Repository2014

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Y., Tanaka, S., Tomiura, Y., Miyazaki, Y., Tokumi M.
    • 学会等名
      Digital Humanities Australasia 2014
    • 発表場所
      Perth, Australia
    • 年月日
      20140317-20140321
  • [学会発表] 基本句を考慮したn-gram の計数2013

    • 著者名/発表者名
      田中省作
    • 学会等名
      英語コーパス学会第39 回大会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県)
    • 年月日
      20131005-20131006
  • [学会発表] Creating corpus-informed word lists for a college radiology ESP program2013

    • 著者名/発表者名
      M. Fujieda, H.Hiroko, Y. Koyama
    • 学会等名
      NZ Vocab
    • 発表場所
      Wellington, New Zealand
    • 年月日
      20130829-20130831
  • [学会発表] 分野依存性を考慮した用例提示型英文書作成支援ツールの開発2013

    • 著者名/発表者名
      田中省作, 宮崎佳典, 小山由紀江, 藤枝美穂
    • 学会等名
      教育システム情報学会研究報告
    • 発表場所
      千歳科学技術大学(北海道)
    • 年月日
      20130714-20130714
  • [学会発表] A Tool Supporting Writing Technical Documents in English Using Corpora -Retrieving Functions by Cosine Similarity and Pattern Matching-2013

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki, Y., Tanaka, S., Koyama, Y.
    • 学会等名
      Proc. of 7th International Multi-Conference on Society, Cybernetics and Informatics
    • 発表場所
      Orlando, Florida, USA
    • 年月日
      20130706-20130709

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公開日: 2015-05-28  

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