伝統産業の多くの技術は一人前になるまでに10年の歳月が必要と言われている。しかし、現在の就学状況などから10年を修業期間に費やすことは難しくなってきている。そこで本研究では、土壁の習熟過程に着目し、土壁の塗りの技術の習熟過程および熟練者の有する暗黙知を明らかにし、左官学校で使用するためのeラーニング教材を開発することで、効率的かつ効果的な修業期間を提供し、修業期間の短縮を実現することを目的とする。 平成26年度は、平成25年度に行ったeラーニング教材使用による習熟度調査の解析を進めた。この結果、教材の使用により姿勢が改善されることが明らかとなった。しかし、全ての被験者において改善されたわけではなかった。 これを踏まえ、左官学校の学生にeラーニングを閲覧させ、感想のヒアリングを行った。この結果、様々な角度から熟練者の映像を見たい、材料の準備段階の教材もほしいと言った意見があった。これらの意見を取り入れるため、動画撮影などを実施し、eラーニング教材の修正を行い、教材を完成させた。
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