研究課題/領域番号 |
24501190
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大島 直樹 山口大学, 大学院技術経営研究科, 准教授 (70252319)
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キーワード | 自律分散型協調学習 / 学習ポートフォリオ / 学習評価 / クラウドサービス / スマートメディア / Office 365 |
研究概要 |
近年、クラウドサービスを利用した高機能なインターネットサービスを低コストかつ柔軟に導入できるようになった。同時に、タブレット端末などのスマートメディアが普及し、従来のノートPCなどに取って代わりつつある。これらの新しい情報通信技術(ICT)の優れた特性をもとにして、教育における学習支援ツールとしての活用を目指す。本研究の第一年度では、クラウドサービス(ソフトウェア)およびタブレット端末(ハードウェア)の特性を活かした自立分散型の協調学習支援環境を構築することを目指した。 本研究の第25年度における課題は、研究初年度に取り組んだ(1)クラウドサービスを利用した学習ポートフォリオ、ならびに(2)学習ポートフォリオに接続するためのインターフェースについて、検証を行うことである。 (1)については、Google Apps for Education (Google社の教育用クラウドサービス)ならびにMicrosoft Office 365 for Education(Microsoft社の教育用クラウドサービス)を用いて、学習ポートフォリオの基礎環境を構築した。また、平成25年度の取り組みとして、独立分散型ポートフォリオの形態を発展させてファイルストレージサービスDropBoxを利用したファイル共有を実施した。 (2)に関しては、(株)ネットマン製の教育支援アプリ“Cラーニング”の導入を図り、“Cラーニング”に特別仕様としてファイルストレージサービスDropboxとの接続機能を拡張し、協調学習の基礎データを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度研究計画における課題は、【課題1】学習ポートフォリオの実践、【課題2】収集した学習データの分析、ならびに【課題3】学習の形成過程に対する学習ポートフォリオの依存性の評価を行うことである。 【課題1】学習ポートフォリオの実践について:研究初年度に開発する学習ポートフォリオと統合アプリケーションを実践し、学習データを収集した。【課題2】収集した学習データの分析では、データマイニング技法、ネットワーク分析技法などを用いて学習における形成的な認知過程の分析を試みた。さらに、学習に関する認知的な構造をモデル化することによって学習評価を行う可能性を検討した。【課題3】学習の形成過程に対する学習ポートフォリオの依存性の評価については、引き続き学習データの収集が必要であることが判明した。 以上、平成25年度の研究計画は概ね順調に進捗し、研究目的の達成度は75%程度であり、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究の結果を踏まえて、研究の最終年度として、【課題1-H26】学習に関する認知的な構造のモデル化の検証、ならびに【課題2-H26】学習の形成過程に対する学習ポートフォリオの依存性の評価の確立に取り組むとともに、研究の完了を目指す。 また、これまでの研究成果を国際会議ならびに論文として発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を遂行するために契約したクラウドストレージサービスの契約アカウント数として、予定より3つ少ない契約を行った。そのため、その分の契約料として36,584円の未使用額が生じた。 本年度の研究計画として、昨年度に引き続き「分散協調学習の形成過程に対する学習ポートフォリオの依存性」を測るためのデータ収集を行う予定である。前年度未使用額は、そのための費用として割り当てる。
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