研究課題
本研究では、ソフトウェア技術者が、ソフトウェアプロセス技術を用いて、ソフトウェア開発能力を継続的に改善するための支援環境を考案した。ソフトウェアプロセス技術を活用するには、知識だけではなく、スキルを習得する必要がある。そこで、米国カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所の提案している個人の能力改善を目的とした PSP (Personal Software Process) 、および、チーム開発を支援する TSP (Team Software Process) のトレーニングコースを対象とし、コース受講者のスキル習得を支援するための手法とそのツールを研究した。本年度は、研究計画の最終年度にあたり、主に以下の研究を行った。・3種類のマネジメント観点から、ソフトウェア開発能力を継続的に改善するための手法を検討した。3種類とは、個人スキルを対象としたセルフマネジメント、チーム活動を対象としたチームマネジメント、インストラクタからの指導を支援するコースマネジメントである。セルフマネジメントとコースマネジメントについては、昨年度までに検討してきており、本年度は主にチームマネジメントの観点から検討した。本研究では、チームメンバー個人のプロセスデータとチームワーク時におけるプロセスデータの相関関係を可視化する手法を提案した。・ソフトウェアプロセスのプロセスデータ可視化支援ツールを試作した。本ツールは、上記3種類の視点に対応しており、使用者自身がプロセスデータを加工、編集し、グラフ化することが可能である。ただし、現状ではPSP/TSPに特有のプロセスデータのみを対象としているため、ソフトウェアプロセス一般に適用するためのプロセスデータ定義やプロセスデータへのアクセス権限に関するセキュリティ機能等を今後研究する必要がある。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
IEICE Transactions on Information and Systems
巻: E97-D-5 ページ: 1127-1138