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2012 年度 実施状況報告書

教材提示の認知分析に基づく新しい教育用プレゼンテーションの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 24501193
研究種目

基盤研究(C)

研究機関佐賀大学

研究代表者

岡崎 泰久  佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90253583)

研究分担者 渡辺 健次  広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00220880)
吉川 厚  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (50444120)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードプレゼンテーション / 手書き / 板書 / スライド / 授業分析
研究概要

本研究は、従来のプレゼンテーションツールよりも板書の方が理解しやすいと考えられる根拠を科学的に明らかにするとともに、板書のように、書く途中の過程そのものを含めた教材提示の持つ教育的利点の要因を、授業分析を踏まえた認知実験に基づく分析により明らかにする。その上で、それらの要素を取り入れた、分かりやすいスライドを容易に作成し学習者に提示できる、新しい教育用プレゼンテーションツールの設計と開発を行うとともに、その評価を行うことを目的としている。
本年度は、授業の分析と視線分析装置を用いた実験を通じて、分かりやすさの要因につながる、書いていく過程を見せる良さについての知見を得るともに、プレゼンテーションツールとしての基本的な機能の設計と開発を進めた。
(1)授業分析による分かりやすさの要因分析:大学での授業を題材に、板書による授業、プレゼンテーションツールを用いた授業の映像分析を行い、情報提示の観点から、プレゼンテーションツールを用いたスライドの提示と、板書形式による提示の違いの定量的に評価を行った。
(2)書いていく過程の提示の有無によるの視線の違いの分析:視線分析装置を用いて、理解しやすさに影響を与える要因を探るための実験を行い、書いていく過程を見せる良さの要因につながる、視線の動きと提示された内容の再現に関する知見を得た。
(3)プレゼンテーションツールの基本設計・開発:すでに着手しているシステムのプロトタイプシステムの開発を進めた。さらに、このシステムで作成した教材データをWebブラウザ上で再現できる、HTML5を用いた手書き過程再生提示ツールのプロトタイプの開発研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画として、『授業分析と認知実験を通じて、分かりやすさの要因をつきとめるとともに、プレゼンテーションツールとしての基本的な機能の設計と開発を行う。』を挙げ、具体的な目標として以下の三つを挙げた。下記の通りそれぞれの目標をおおむね達成しており、おおむね順調に進展していると判断した。
(1)授業分析による分かりやすさの要因分析:当初の計画通り、授業の映像分析を行い、情報提示の観点からの定量的評価を行うことにより、板書形式による書いていく過程の提示の良さの要因につながる知見を得ることが出来た。
(2)認知実験による分かりやすさの要素特定:当初の計画には無かった視線分析装置の利用を実現し、理解しやすさに影響を与える要因を探るための実験を行い、書いていく過程を見せる良さの要因につながる、視線の動きと提示された内容の再現に関する知見を得た。
(3)プレゼンテーションツールの基本設計・開発:プロトタイプシステムの開発は、当初の計画よりやや遅れているが、当初の計画に無かった新たなシステムとして、Webブラウザ上で手書きの提示過程を再現できる、HTML5を用いた手書き過程再生提示ツールのプロトタイプの開発研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

初年度はおおむね計画通り実施できているので、今後も当初の予定通りこれまでの研究成果を踏まえ、分かりやすさの要素をスライドに反映させる機能についての検討を行い、開発してきたプロトタイプシステムに実装するシステム開発を進める。
(1)プロトタイプシステムの開発:これまでの開発を継続し、プレゼンテーションツールとしての基本的機能を備えた、プロトタイプシステムの開発を行う。
(2)分かりやすさの要素を反映した機能の設計と開発:項目(1)のプロトタイプシステムの開発と並行して、これまでの研究により明らかになった、書いていく過程を見せることによる分かりやすさの具体的要素を、スライドに容易に反映させることができる機能を設計するとともに、その実装を行う。
(3)プレゼンテーションツールの開発:項目(1)で開発を行うプロトタイプシステムに、項目(2)で開発を行った分かりやすさの要素をスライドに反映する機能を実現し、書いていく過程を見せる分かりやすさを容易に実現できる新しい教育用プレゼンテーションツールの開発を進める。
さらに、これまでに得られた知見を学会等で発表する。

次年度の研究費の使用計画

システム開発に向けた機能設計やプロトタイプシステム開発、動作確認のためのパーソナルコンピュータの購入を計画している。また、調査研究や研究打合せ、研究成果発表のための旅費、実験等の研究補助、学会等の参加費などの支出を予定している。あわせてその他研究の遂行に必要な資料や消耗品の購入を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アイトラッカーを用いた書く過程を提示された学習者の視線分析2013

    • 著者名/発表者名
      岡崎泰久, 野口千樹, 田中久治, 渡辺健次,吉川厚
    • 雑誌名

      教育システム情報学会研究報告

      巻: vol.27, no.6 ページ: 243, 248

  • [学会発表] アイトラッカーを用いた書く過程を提示された学習者の視線分析2013

    • 著者名/発表者名
      岡崎泰久, 野口千樹, 田中久治, 渡辺健次,吉川厚
    • 学会等名
      2012年度JSiSE第6回研究会
    • 発表場所
      山口大学(山口市)
    • 年月日
      20130316-20130316

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公開日: 2014-07-24  

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