研究実績の概要 |
最終年度の今年度は、中核市における校外初任者研修プログラムの研修効果や改善点の検討、初任者教員の適応および成長支援に資する効果的な研修内容等の提示をめざして調査研究を実施した。成果の概要は、次のとおりである。 1)平成25年度現在、全国には42の中核市があり、学校数及び児童生徒数の合計は、小学校2,251校/899,727名、中学校1,046校/442,698名であった。また、中核市における初任者研修受講者数は、平成16年度1,522名(35中核市)から平成24年度2,449名(41中核市)へ増加し、中核市における拠点校方式の実施率は平成16年度67.5%から平成24年度92.2%へ8年間で約25ポイント増加していた。 2)全国42中核市の教育センター等に対して校外初任者研修に関わる資料請求を行い、25の中核市から回答および資料提供があった。これらの分析から、中核市においても校外研修の総時間数で差が見られるようになり、人権教育等に関する研修内容で地域的な偏りが確認できた。 3)いわき市総合教育センターが生涯学習課と連携して校外初任者研修プログラムの企業等体験に取り入れてきた「いわき市防災サマーキャンプ」の参与観察から、いわき市を知らない初任者教員が多様な人々との関わりの中で地元を知ること、地域住民やボランティアの方々の子どもとのかかわり方を見て学ぶこと、さらには中学校教員が学校外での児童との関わりの中から学ぶことなど、「「教師である前に市民であること」が可能になるような教師教育」の意義が確認できた。
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