平成27年度は、以下の研究を行い、まとめを行った。 1)学習管理システム(LMS)の学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果について: LMSを活用した安否確認システムの実用化を平成27年度も継続して実施し、より実践的な活用に至ることができた。実際に発生した自然災害(水害・河川氾濫)の際には、LMSを用いた安否確認が運用され、効率的な情報収集に役立てることができた。さらに、防災訓練時にLMS利用による安否確認の試行を行うことで、非常時の情報共有への理解を深める取り組みを行った。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保について:非常時を想定して、遠隔地のサーバーを安否確認用として利用する手法の検討を行ってきたが、平成27年度は、遠隔地に設置したLMSサーバーの利用環境と、クラウド環境に設けたLMSサーバーの管理および運用に関する比較を行った。両サーバーの運用および障害発生時への対応手法等から、今後の新たなサーバー環境に関する考察を行った。その結果を元に、クラウド環境におけるLMS利用の利点を考慮し、平成28年度に向けて、全学で利用しているLMSのクラウド環境への移行を行った。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響について:平成27年度も実施した医学部および看護学部学生全員の携帯メールアドレスのLMSへの登録を含め、非常時における情報共有の重要性を認識する取り組みとして、安否確認機能の試行と防災訓練時に利用した。また、実際に発生した自然災害時の安否確認実施からも、その情報共有の重要性について周知できたと考えられた。 以上の取り組みから、研究テーマであるLMSを危機管理対策用のプラットフォームとして十分に活用できるシステムモデルの構築を実施できたと考える。
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