本研究では、本研究グループが開発した情報モラル判断のための「3種の知識」と問題解決のための「情報的な見方・考え方」とを統合した指導法を、現職教員研修や教員養成課程での実践・評価を行いながら、教師に修得させる方法を確立した。実際に指導する上で何が障害になり、どう働きかけるとそれが克服できるのかという仮説検証的アプローチによって、他の新たな課題にも適用可能な教師の職能開発モデルを提案した。
(1)情報モラル判断のための「3種の知識」と問題解決のための「情報的な見方・考え方」とを統合した指導法を活用して、教師の情報モラル指導力を育成するための教員研修の手法を開発した。(2)上記(1)の手法を用いて各都道府県の教育委員会が実施する現職教員研修及び大学での教員養成課程で実践を行い、本研究による指導法及び教材を用いて教師が情報モラル指導力を身につけるために必要となる要素を抽出した。(3)数名の現職教員に本研究による指導法及び教材を用いた継続的な実践を委託し、指導する上で何が障害になり、どう働きかけるとそれが克服できるのかという仮説検証的な実践を行った。これらの実践を通して、教師の情報モラル指導力修得に関する要素を抽出し、検討した。(4)上記(2)(3)を基に、教師の情報モラル指導力を測定するための手法を検討し、評価方法を確立した。(5)上記(1)~(4)もとに本指導法による教師の情報モラル指導力を育成するための教員研修方法を開発した。(6) 上記(5)を基に、各都道府県の教育委員会が実施する現職教員研修及び大学での教職教育で指導を行い、情報モラル指導力を育成するための教員研修方法の評価・改善を図った。(7) 上記(1)~(6)を基に、新たな課題に適用可能な教師の職能開発モデルを提案した。
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