研究課題/領域番号 |
24501212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
宮添 輝美 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60339588)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / カナダ / 台湾 / フィリピン / イギリス / スイス / アメリカ / ポルトガル |
研究概要 |
本研究の目的は、対面・オンライン・ブレンド型等、多様な教授・学習形態を包摂する効果的かつ効率的な「学習デザイン」の最適モデルを、Dr. Terry Andersonが提案するModes of InteractionモデルおよびInteraction Equivalency理論に基づき教師―内容―生徒の3要素から構成されるインタアクション(相互交流)の観点から模式化・定量化することである。 研究実績に報告の通り、本研究課題の進捗状況については、本分野で評価の高い国際学会二件(査読付き発表論文有り)に発表・報告できた。また、オンラインによる音声発話を用いたインタアクション・デザインに関する研究報告をeBookのかたちで一章にまとめアメリカの出版社より平成24年度中に出版したが、本草稿は平成23年度中に執筆完了していたため、平成24年度の研究実績とは厳密には言えないかもしれない。 海外の共同研究者と密に連絡を取り合い、データ収集に向けて協力関係を固めている。事前に申請の共同研究者に加えて、新たに、アメリカとポルトガルの博士課程に学ぶ社会人学生で、研究代表の博士論文研究を引き継ぐ研究者よりコンタクトを受け、彼らの学位論文研究もサポートしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採択された研究計画では、平成24年度中に模擬モデルを完成させるとともに、定量化のための質問紙を試作しパイロットスタディを行う予定だった。しかしながら、近年におけるOER(Open Education Resources:オープン教育資源)およびMOOCs(Massive Open Online Courses: 大規模公開オンライン講座)に代表される無料(かつ良質)の教育リソースの興隆を包摂した最適学習デザインをモデル化する必要があり、当初の研究計画を修正する必要が生じた。平成24年度中に計上していた試作モデルに基づく質問紙処理やプログラミング等の人権費支出がなかったのは、このためである。しかしながら、世界の高等教育がともに直面している一般性の高い問題だったため、研究実績に報告の通り、モデル化の軌道修正の過程そのものについて国際学会で発表することができた。新たな教授・学習環境下におけるインタアクション・モデルの問題整理は、ほぼ完了した。また、平成25年度4月となり年度を跨ることになるが、インタアクション・デザインを定量化するための新たな計量スケールによる質問紙を、パイロット研究の第一段階として、日本のある大学で小規模実施することができた。本データの分析は平成25年度に持ち越している。
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今後の研究の推進方策 |
本務における人員配置の変更があり教務上の仕事が予定より増えたこともあり、当初の予定より研究計画の進行が少し遅れているが、大幅な遅れというほどではなく少しずつだが確実に研究は前進している。採択の研究計画完了後も本研究課題を核としてさらに長期的に研究を進めてゆく方向性についても構想を得ることができた感触がある。三年計画での研究課題であるが、少しずつ支出額に余剰が出ているとともに今後の研究展望も見えてきたため、現在の予算の執行状況を見る限り、最終年度で継続申請もしくは延長申請をすることになろうかとも思われる。
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次年度の研究費の使用計画 |
採択された研究計画に基づき、共同研究者とともに最適なインタアクション・デザインの定量化に向けてさらに歩を進める。質問紙の精度を高め、検証後、データ収集を行うところまで到達することが本年度の課題である。 学会発表等については平成24年度3月にプロポーザルを提出のものが受理され、平成25年度6月に国際学会(査読付き論文有り)にて発表予定である。また、OERやMOOCsを包括した修正モデルに関する考察について、共同研究者とともに雑誌投稿を目指して小論文として執筆中であり、適所に投稿して第三者による評価を仰ぎたい。
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