研究課題/領域番号 |
24501212
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
宮添 輝美 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60339588)
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キーワード | 国際研究者交流 / カナダ / 台湾 / フィリピン / イギリス / アメリカ / ポルトガル / 中国 |
研究概要 |
本研究の目的は、対面・オンライン・ブレンド型等、多様な教授・学習形態を包摂する効果的かつ効率的な「学習デザイン」の最適モデルを、Dr.Terry Anderson が提唱するModes of InteractionモデルおよびInteraction Equivalency理論に基づき教師-内容-生徒の3要素から構成されるインタアクション(相互交流)の観点から模式化・定量化することである。 研究業績に報告の通り、平成25年度中の実績として、本研究の中間成果を国際ジャーナルへの論文1本および国際学会発表2件、海外大学招待講義1回にて、報告することができた。また、研究計画にある公開用のインタアクション定量化オンラインプログラムの作成に着手できたが、未完成である。 国際共同研究としては、データ収集に遅れが出ている。 アメリカ、ポルトガル、UK、中国の博士課程で本研究課題の関連研究を行っている学生達への研究支援を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では平成24年度中に模擬モデルを完成させる予定だったか、平成25年度前期に定量化に関する模擬モデルが完成。平成25年度前期にMOOCsの今日的傾向をこの模擬モデルを用いてオピニンペーパーにまとめイギリスのジャーナル投稿するとともに、平成25年度後期にインタアクションを定量化を行う公開用プログラムの試作に向けてプログラマーとともに作業を開始した。また、研究成果については、平成25年度6月に本分野の主流をなす国際学会オスロ大会にて論文発表、受賞は逃したものの、best research paperのfinalistにノミネートされた。共同研究者とともに中国の大学に招かれ、研究経過について講演発表し、成果共有の機会を得た。 研究代表者の体調不良により平成25年度秋口より平成26年夏まで研究活動の鈍化が見られる。しかしながら、本研究自身は一定の研究成果を収めていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の大きな仕事は、第一に、インタアクション定量化のためのプログラムを完成させ公開することである。第二に、MOOCsという今日的問題へのアプローチについて一定の成果を収めることができたため、当初の計画を発展させ、同様の手法を用いて日本の過去における遠隔教育のインタアクション様態についての分析を開始する。 研究代表者の体調不良により平成25年度秋口より平成26年夏まで研究活動の鈍化を余儀なくされ、予算使用に遅れが生じている。平成26年度は本研究課題の最終年となるが、予算残高の様子を見て、必要に応じて研究期間延長の願い出等の方策を検討したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
採択された研究課題そのものの進捗については、海外大学を交えたデータ収集の項目以外については、大きな遅れは見られず、一定の研究成果を上げるとともにその成果発表を行ってきていると言える。しかしながら、研究代表者が平成26年1~7月まで傷病休暇となり、この期間における研究活動が事実上、停止状態となった。このため、研究最終年度の前期の活動にもとづき同年度後期に本来予定していた海外発表等ができない状態となり、予算支出に大きな余剰が生じた。以上の理由により、下記のような研究方向の修正を必要とする。 今後の推進方策にも述べるように、教育におけるインタアクションモデルの取り扱いは、古今東西のあらゆる教育活動について検討可能なものである。本研究ではこの問題をもっとも今日的な課題のひとつであるMOOCsにおいて、まず、考察を進めた。しかしながら、研究代表者のもう一つの研究領域に、日本の教育伝統におけるインタアクションデザインの様態考察がある。このため最終年度に予定していた海外出張費の一部をプログラミング費等の人件費拡張に振り替えるとともに、研究発表を可能な限り海外連携協力者に依頼する等の方策を講じる。また、研究期間の延長を申請し、予算を有効使用することも懸命な方法であると考える。
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