研究課題/領域番号 |
24501216
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
児玉 靖司 法政大学, 経営学部, 教授 (30266910)
|
研究分担者 |
寺脇 由紀 法政大学, 情報メディア教育研究センター, 助手 (30559365)
鎌田 敏之 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80262939)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 教材情報システム / eポートフォリオ / Javascript |
研究概要 |
本年度は研究初年度であり、1)文献調査、2)ナビサイトに関する要求定義と外部設計を中心にプロトタイプの設計、実装までを行った。研究代表者が米国(シリコンバレー)滞在ということもあり、海外の同様の研究者や高等教育機関の関係者と意見交換することができた。1)文献調査については、最近のサーバ構築に関して新しい技術である Java 言語によるサーバ構築、felix、sling、Ruby 言語を使った Ruby on Rails、Javascript による Node.js 等に関する概要について調査を行った。結果として非常に柔軟性に富み、様々なモジュールが存在し、サーバ、クライアント間全てを Javascript で記述することができる Node.js を採用した。さらに、オープンソースとして Github に公開しクラウド環境(Heroku)に載せプロトタイプを公開(http://yatt.herokuapp.com)することが出来た。構築した教材情報システム YATT(Yet Another Time Table) は、時間割を元にしたティチングポートフォリオとして稼働中である。 学会報告としては、研究代表者が2013年1月のMatterhorn/opencastプロジェクトのUnConference、研究代表者と寺脇が連携して2013年3月に法政大学情報メディア教育研究センター主催の「国際シンポジウム」を開催し、各々発表を行った。鎌田は、9月に私情協でデータマイニングを用いた学習記録の解析について論文発表をした。 米国(シリコンバレー)では、教育工学(EduTech)に関する新しい技術、教授法に関する新しい方法が提案されており、特に flipped classroom に関する新しい提案がされ、我々も講義を収録したビデオ映像を生かした教授方法について新しい提案を検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度であるため文献調査が中心であったが、Web構築に関する文献調査、データマイニングに関する文献、ゲーミフィケーションと高等教育に関する文献調査等を行った。Web構築に関しては、サーバ、クライアント間全てを Javascript を用いて開発することができる Node.js を採用し MVC モデルを生かした教材情報システム YATT のプロトタイプの構築をすることが出来た。このYATTは、ティーチングポートフォリオであると同時に、学生、教員のスケジュールを管理するために「時間割」を基にした新しい概念を取り入れた教材情報システムである。 研究代表者が、米国(シリコンバレー)に滞在することにより、海外のプロジェクトミーティング等小さな会合にも参加することができた。さらに、MeetUpという小規模(100人程度)ミーティングにも参加し特に米国の事情に関して調査することができた。具体的にはWeb構築に関しての技術革新、オンライン学習についてFlipped classroom という手法の開発等新しい方法等について調査を行った。 研究発表としては、国内外で4件の研究発表をすることができた。9月に私情協が主催する「教育改革ICT戦略大会」で発表し、2013年1月にUniversity of California, San Diegoで開催されたMatterhorn/opencast Unconference 2013において講義のビデオ配信に関する日本の大学の現状について発表した。3月には、研究代表者と寺脇により「国際シンポジウム」を企画し、UC Berkeley より本研究に関する関係者を招聘し基調講演を企画すると共に、自らも研究発表を行った。まだ、未発表であるが法政大学の紀要にも発表予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
Webサイト構築にあたって Node.js を用い全て Javascript で記述し、サーバ、クライアント間の通信を非同期で行うモデルとなった。今後は Javascript で記述された Node.js のモジュールについてさらに調査し、オープンソースとして公開されているモジュールを使い機能向上を考えている。さらに、新しいオープンソースの教材情報システムCanvas、有名なMOOC の一つである edX の基盤となる XBlock 等も発表され引き続き事例として調査し、我々が開発したサーバと連携ができないかを検討する必要がある。K12(幼稚園から高等学校までの教育課程)でのインターネットを用いた教授法に関してはKahn Academy等の革新的な技術が紹介されており、特に学習者の履歴をとり、大量の履歴データから重要なデータをフィードバックとして分析し、可視化する手法について調査し、新しい手法を提案していく。 さらに、本研究の主題である「携帯端末」への対応を考え、iPhoneでのアプリ開発に関する文献調査と学習履歴の解析に関する研究開発事例の調査を行う。学習履歴の解析に関する研究事例としてはデータマイニングを用いた学習の予測モデルが提案され、ワークショップ等が開催されているので積極的に参加し調査する必要がある。携帯端末に関しては、そのUI (User Interface)についても考察が必要で関連するワークショップ等にも参加する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度よりプロトタイプとして開発中の教材情報システムYATTを携帯端末に対応させるために、iPhoneアプリ開発のためMac Book Pro またはiPadが必要である。次年度は、提案する教材情報システム、教授法について国内外で積極的に発表していく必要がある。特に、研究代表者および寺脇は、本年度に予定していた国際会議、ワークショップに出席できなかったため、次年度において研究発表を考えている。1)6月上旬にSan Diegoで予定されている「Open Apereo 2013 Conference」、2)6月中旬に開催される「ePIC 2013」、3)同じく中旬にドイツで開催されるMatterhorn/opencast Unconference、その他、4)6月下旬にCMUで開催される「The 9th Annual LearnLab Summer School」、5)7月上旬にMemphisで開催される「Workshop on Formative Feedback in Interactive Learning Environments」に参加、6)8月に開催される「2013 International Workshop on Distance Education Technologies(DET2013)」等に参加、研究発表を予定している。
|