研究課題/領域番号 |
24501218
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研究機関 | 湘北短期大学 |
研究代表者 |
高嶋 章雄 湘北短期大学, その他部局等, 講師 (80421999)
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キーワード | 専門的技能習得 / 学習環境 |
研究概要 |
本研究課題では、エキスパートによるデザインスケッチ作成過程を録画し、(1)エキスパート自身によるデザインスケッチ作成過程の振り返り(reflection on reflection-in-action)を、動画像閲覧経験として再現・活用することにより、学習者が創造的活動を擬似的に体験すること、(2)学習者が映像を詳しく観察することによりデザインスケッチ技術を習得することの2点を支援する環境を構築する。 本年度は主に、エキスパートのデザインプロセスの記録・分析・およびその結果を利用した学習方法の検討を実施した。予備実験として、学生に市販のデザインプロセス記録映像を閲覧させ、どのように学習するかを観察した。結果から、エキスパートのtrial and errorの様子に注目する点が明らかとなった。 また、実際のロゴマークコンペティションを題材とし、プロフェッショナルデザイナ1名が、ロゴマークを作成するプロセスの、視線追跡データを含む映像を記録し、記録映像に対するオーディオコメンタリを作成した。ただし、記録映像と、それを閲覧するエキスパートのインタラクションから動画閲覧知識を抽出する予定であったが、十分なインタラクションが観察されなかったため、両者の関連づけには至っていない。学生にオーディオコメンタリを閲覧させる実験を実施し、reflection-on-actionに関する行動に関しては一定の気付きがあったが、reflection-in-actionに関する行動については、学生は十分把握できていない点が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究業績の概要に記載した通り、映像と映像閲覧時のインタラクションの関連づけが十分ではないが、エキスパートの協力が1名にとどまっていることから、他のエキスパートにも協力を依頼し、行動を観察する予定である。また、オーディオコメンタリ閲覧から、学生がエキスパートのreflectionプロセスの一部を観測できることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
記録映像からreflectionを効果的に学習者に伝えるための指針を作成し、動画像閲覧経験を再現して学習に活用できる環境を構築し、研究をまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に実施したエキスパートのデザインプロセス観察・記録・オーディオコメンタリの作成について、業務委託契約を結んだが、支払いが年度末に完了しなかった。 既に完了している業務委託に関する費用を支払う(5月末に振り込み済み)
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