研究課題/領域番号 |
24501221
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
恐神 正博 福井工業大学, 工学部, 准教授 (70298389)
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研究分担者 |
伊藤 暢浩 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (40314075)
杉原 一臣 福井工業大学, 工学部, 准教授 (90367508)
魚崎 勝司 福井工業大学, 工学部, 教授 (20029151)
山西 輝也 福井工業大学, 工学部, 教授 (50298387)
大熊 一正 福井工業大学, 工学部, 准教授 (80367507)
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キーワード | 初等教育システム / プログラミング教材 / 実機ロボット / 組込み系 |
研究概要 |
平成25年度では、スクラッチによるマイクロロボット制御を体験させる教程の洗練を行うために、1-A 「スクラッチ開発環境とC++による基本動作モジュールの連携」、1-B 「マイクロロボット制御システムの改善」、1-C 「スクラッチによるマイクロロボット制御プログラミング体験学習の実施」、についてそれぞれ研究を進めてきた。これらそれぞれの実績としては、まず、1-A については、スクラッチで作成した,スクリプトと呼ばれるタイル型の命令を、一旦テキストデータに変換し,そのデータをC++言語によるCUI型のマイクロロボット制御インタフェースへ送り,基本動作モジュールと連携させた。次に、1-B については、現在、赤外線通信を利用しているマイクロロボットの遠隔制御方法が、環境に強く依存し通信エラーが頻発することが少なくないため、赤外線システムからXBee規格による無線システムへの変更を行い、環境依存性を排除した。また 1-C については、引き続きスクラッチによるプログラミング体験講座を、市民公開講座や出前講義として行い,スクラッチによるプログラミング教程の洗練を図ると共に,その改善を目的としたアンケートデータの蓄積及び評価を行った。最後に、プログラムの基本3構造である、順次・選択・繰り返しの数理モデル化を進め、それらを用いてプログラム自動採点を可能にするアルゴリズムを構築するための、ペトリネットにおける基礎研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組込みシステムを作成できる人材育成を目的に,マイクロロボットを制御するプログラム開発を通じ,幅広い年齢層にプログラミングを楽しんでもらえる教程の創発を目指しているが、そのための平成25年度の実施計画、「スクラッチ開発環境とC++による基本動作モジュールの連携」および「マイクロロボット制御システムの改善」についての達成度では、マイクロロボットの制御方法の環境依存性を排除するため、赤外線通信の利用から、XBee規格による無線通信へと改良を施し、これらについて、ふくいITフォーラム2013での技術展示を行うとともに、情報処理学会第76会全国大会等での学会発表を通し公表を行っている。また、「スクラッチによるプログラミング体験学習の実施」についての達成度では、6月の福工業大学主催の「市民ふれあい教室」をはじめ、同6月に、「2013年度福井県大学連携リーグ連携企画講座」など、子供向け並びに一般市民の体験教室を実施してきている。一方、自動評価システムのためのペトリネットに関する基礎的研究については、NOLTA2013、2014年電子情報通信学会総合大会において公表してきている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度では、引き続きスクラッチによるマイクロロボット制御を体験させる学習教材及び教程の洗練について行うが、これも今年度同様、1-A スクラッチ開発環境と基本動作モジュールの連携、1-B マイクロロボット制御システムの改善、の部分について順次研究を行うことで進めていく予定としている。 まず1-Aについては、スクラッチで作成したタイル型のスクリプト(命令)をテキストデータに変換し,そのデータを平成24年度に開発したC++言語によるCUI型のマイクロロボット制御インタフェースへ送り,基本動作モジュールと連携させる一連の処理を自動化するとともに、操作性の向上を図るため、CUIからGUIへと改良を進める。これによって,マイクロロボットの組込みプログラムをタイル型のプログラミング環境で誰でも簡単に制作できるようにしていく。次に、1-Bについては、現在、実機ロボットとして利用している、マイクロロボットは、その生産が中止となってしまっているため、代替機としてのレゴマインドストームを利用できる環境を整える予定としている。これにより、機種依存性も排除でき、様々な実機ロボット利用への可能性が広がる。また、自動評価システム構築のためペトリネットの基礎的研究も進めていく。そして、これらの各成果について国内外の学会等で積極的に公表していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度はおよそ計画通りの支出ではあったが、平成24年度に生じた繰越金と今年度の若干の繰越金を加えた額が繰り越されている。 平成26年度では、、当初の予算に平成25年度からの繰り越し金を加えて、研究成果の国内外への報告を行うための投稿費および旅費、加えて、研究の打ち合わせに伴う旅費、また、プログラミング教室実施およびプログラム開発に伴う謝金、さらに、関連図書の購入、および、消耗品等で支出を行う予定である。
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