研究課題/領域番号 |
24501221
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
恐神 正博 福井工業大学, 工学部, 准教授 (70298389)
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研究分担者 |
伊藤 暢浩 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (40314075)
杉原 一臣 福井工業大学, 工学部, 教授 (90367508)
魚崎 勝司 福井工業大学, 工学部, その他 (20029151) [辞退]
山西 輝也 福井工業大学, 工学部, 教授 (50298387)
大熊 一正 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (80367507)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 初等教育システム / プログラミング教材 / 実機ロボット / 組込み系 |
研究実績の概要 |
平成26年度では、スクラッチによるマイクロロボット制御を体験させる教程の洗練を行うために、1-A「スクラッチ環境開発とC++による基本動作モジュールの連携」、1-B「マイクロロボット制御システムの改善」、1-C「スクラッチによるマイクロロボット制御プログラミング体験学習の実施」、についてそれぞれ研究を進めてきた。これの実績を以下にそれぞれ述べる。 まず、1-A「スクラッチ環境開発とC++による基本動作モジュールの連携」では、スクラッチで作成したスクリプトと呼ばれるタイル型の命令からマイクロロボットを制御するためのC++モジュールへの変換を行う変換部分において、従来のCUI環境から、GUI環境への改良を行い操作性を向上させた。さらに、従来対象ロボットをマイクロロボットのみとしていたが、広く世の中に普及しているレゴマインドストームの制御も可能とし、Scratchからのロボット制御における機種依存性の排除を進めた。 次に、「1-B「マイクロロボット制御システムの改善」では、昨年度の報告において、赤外線通信からXBee規格による無線通信にし、環境依存性を排除したが、合わせてLEGOマインドストームの制御も、Bluetooth規格による無線通信を行っており、より環境に左右されにくいロボット制御性を実現した。 最後に、1-C「スクラッチによるマイクロロボット制御プログラミング体験学習の実施」では、引き続き複数回の高校からの来学生に対し、プログラミング体験講座を実施し、スクラッチを用いたプログラミング教程の洗練を図るとともに、その改善を目的とした、アンケートデータの蓄積および評価を行った。 最後に、「ペトリネットを利用したプログラム自動評価システムのアルゴリズム開発」については、基本3構造の数理モデル化を行うために、可到達性判定などのペトリネットにおける基礎的研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組込みシステムを作成できる人材育成を目的に、マイクロロボットを制御するプログラム開発を通じ、幅広い年齢層にプログラミングを楽しんでもらえる教程の創発を目指している。そのための平成26年度の実施計画、「スクラッチによるマイクロロボット制御を体験させる学習教材及び教程の洗練」では、1-Aで平成25年度に、CUIでの連携環境の構築を行ったところからさらに進め、平成26年度では、GUIでの連携を可能にし、だれでも教材を利用しやすくした。また、マイクロロボットのみの制御から、レゴマインドストームも制御可能とすることで、機種依存性を排除し、複数機種のロボット制御に対応できるようにした。1-Bでも、環境依存性を取り除くためのXBee規格による無線通信を平成25年度に整備してきたが、それに加え、平成26年度では、Bluetooth規格による無線通信もレゴマインドストームで可能としたため、環境依存性の排除がさらに進んでいる。1-Cでは、ふくいITフォーラム2014での技術展示を行い、また、高校からの来学者に対し、体験授業を2回行っている。一方、「ペトリネットを利用したプログラム自動評価システムのアルゴリズム開発」については、数理モデル化へのペトリネットの適用や、同じくそれを用いた自動評価システムへのペトリネットの適用については、進展していないものの、ペトリネットにおける可到達性判定等の基礎的研究を進めており、これらは、国際会議NOLTA2014において公表してきている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度では、最終年度でもあり、引き続きスクラッチによるロボット制御を体験させる学習教材及び教程の洗練を進めが、それらの方策は、従来行ってきた、1-A スクラッチ開発環境と基本動作モジュールの連携の改善、1-B マイクロロボットおよびレゴマンドストームらロボットの制御システムの改善が、一応一通り完了したと言えることから、体験授業でのアンケート結果解析をもとに必要に応じ、改良・改善を進めていく。1-C スクラッチによるマイクロロボット制御プログラミング体験授業の実施については、引き続き、出前授業等で行っていく予定であり、その中でさらなるアンケートデータの蓄積・評価を行い、学習教材の洗練を進める予定である。また、自動評価システム構築のためのペトリネットの基礎的研究も引き続き進めて行く。これらの各成果については、国内外の学会等や、技術展示会等で積極的に公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度はおよそ計画通りの支出ではあったが、平成24年度に生じた繰越金と今年度の若干の繰越金を加えた額が繰り越されている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、最終年度であり、当初の予算に繰越金を加えて、研究成果の国内外への報告を積極的に行うための投稿費および旅費、加えて、研究打ち合わせに伴う旅費、プログラミング教室実施に伴う謝金、関連図書の購入、および、消耗品等で支出を行う予定である。
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