研究課題/領域番号 |
24501222
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
篭谷 隆弘 仁愛大学, 人間生活学部, 准教授 (80290089)
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キーワード | LMS / 学習管理システム / Moodle / 小学校 |
研究概要 |
本研究では、小学校教育における学習管理システム(LMS)の普及を目指すために、LMSのユーザインタフェースやシステムプログラムの改良を行い、さらにそのLMS上で利用できる教材コンテンツの内製化と共有および評価が行えるネットワークの構築を行い、教員養成課程をもつ大学と小学校との連携による実践的な取り組みも試行する。昨年度は、【インタフェースの改良に向けた分析と実装、小学校教諭らとの共通理解】に関わる内容を中心に研究を行った。 今年度は、主に【最適化改良内容の公開と教材コンテンツの試作】について研究を行った。 昨年度の成果として得られた言語パックやタブレット端末に最適化したテーマファイルをMoodleの国内コミュニティにて公開し、意見や他の案なども得た。小学校での利用を模索する他機関の研究者やMoodle利用者らから意見を求めることで、内容の再検討を行っていった。 教材コンテンツについては、特定の学年・教科に的を絞った試作を行い、Moodle上での利用環境を構築した。学習指導要領に示される内容や既存の年間指導計画に基づき、教科書や関連教材の内容も参考のうえ、児童に提示する資料、小テストなどによってドリル的に学習を指導する内容、文章によって記述する意味、デジタルカメラなどで児童らに情報収集させた資料など、これまで紙媒体を中心としていたと思われる指導内容についてLMS上のコンテンツについてデザインした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度から引き続き、LMSの言語パックやUIの更新を行っているが、その作業量が多いことから、完全な完成に至っていない。また、小学校現場での実証実践を進めるため、ハードウェア面においてサーバ用PCやタブレット端末、これらをネットワーク接続するための可搬式アクセスポイント等のネットワーク接続環境の構築を予定していたが、協力連携校との十分な検討を終えることができておらず、構築が行えていない。 研究成果の公開については、国内発表にとどまり、海外での研究動向調査や発表が十分に行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
Moodleでは学習活動のための様々な機能がモジュール化されていることにより必要に応じて機能の追加・削除が容易となっている。またオープンソースにより様々なモジュールが開発コミュニティで提供されている。これらは多様な学習スタイルに応じて選択ができる一方、小学校教育の現場においては不要であったり、操作上複雑になる場合もある。前年度までの研究において得られたインタフェースやコンテンツに関する知見をもとに、これらの選定を行っていくことが重要である。 教材コンテンツについては、複数の学年・教科での実証実験を行うため、先に述べたように越前市内の小学校との連携を行う。また本学所属の教科教育を専門とする教授からはコンテンツの充実に向けての助言を得ていく。 さらに、これまでの成果はMoodleコミュニティの成果物の上に成り立つものであり、より広く多様な環境でのオープンな利用も考える必要がある。当研究で得られる言語パック・テーマ・ソースプログラムの改変内容は、コミュニティに還元していく。また研究成果については、国内外の関係学会やMoodle Mootでの発表はもとより、国内の他の小学校などにおいてもLMSを使って同様な実践が可能となるようサポートのためのドキュメント整備もすすめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度では、小学校現場での実証実践を進めるため、ハードウェア面においてサーバ用PCやタブレット端末、これらをネットワーク接続するための可搬式アクセスポイント等のネット―ワーク接続環境の構築を予定していたが、協力連携校との十分な検討を終えることができておらず、未構築となっている 連携小学校との実証実験を行うため、サーバ用PCやタブレット端末等の購入を行う。 また、研究成果の対外的な公開をすすめるため、ドキュメントの制作や学会での発表をすすめていく。
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