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2013 年度 実施状況報告書

学習行動支援のための気づきを促すつながり感指向インタフェースの研究

研究課題

研究課題/領域番号 24501236
研究機関高知工業高等専門学校

研究代表者

山口 巧  高知工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (30230361)

キーワード学習環境 / Ubiquitous Learning / Adaptive Learning / Human Interface
研究概要

アンビエントなコミュニケーション支援手法の1つとして日常生活行動連動型の実践的なアプリケーションインタフェースシステムを実装し,新たな支援モデルの提案・評価を進めるため,
(1)学習者の遠隔の空間同士をあたかも隣接しているかのように知覚させ,ネットワーク分散型「より添い支援」を実現する自学コンダクターシステム,
(2)顔認証や笑顔認識などモーションセンサや加速度センサ他で参加者の状況把握により参加ユーザ側に持続的つながり感を抱かせてモチベーションを下げない体験メディアのあり方,
のうち,(1)の基本的なフレームワーク構築を1年目に実施したので,(2)参加者の状況把握により参加ユーザ側に持続的つながり感を抱かせる方法を検討してきた。
具体的には,「複数地点分散の双方向型授業支援システム」を使いやすくする学習進度や意欲の維持状況に感応して,参加ユーザの状態連動型の状況把握画面表示インタフェースを,メタ認知(何がわかっており,何がわかっておらず,何をやるべきか自ら把握し学習を進めることができる)が現有システム側に把握できるかを分析して,適切な場所で適切な時に適切な情報を提供する環境 RTRP(Right Time and Right Place)を拡張させるため,「学習者の遠隔の空間同士をあたかも隣接しているかのように知覚させる」具体的かつ実践的な支援システムを家庭学習の学習支援という実践形の中で構築している。本年度の成果は,2014年6月に開催されるHCI International 2014, Learning and Collaboration Technologies:"Learners' behaviour and engagement"で発表される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画初年度と2年目にオーバーラップする現況と計画となっている。Open Source Software(OSS)であるRed5を使ったオンライン会議やEラーニングを可能にするBigBlueButtonをベースに,幾つかのツールを利活用しつつ,ユーザの頭部運動と瞬き検出など複合的に組み合わせた集中力推定システムを融合させる。参加ユーザの状態連動型の状況把握画面表示インタフェースにおいて,学習進度や意欲の維持状況に感応して,メタ認知(何がわかっており,何がわかっておらず,何をやるべきか自ら把握し学習を進めることができる)がシステム側に把握できるものを分析して,適切な場所で適切な時に適切な情報を提供する環境 RTRP(Right Time and Right Place)を拡張させる。つまり,「学習者の遠隔の空間同士をあたかも隣接しているかのように知覚させる」具体的かつ実践的な支援システムを「複数地点分散の双方向型授業支援システム」において,使いやすくする学習支援という実践形の中で構築してきた。
また,新たな実践環境として,大規模学寮における「人間活動全般」を主な対象として,指導寮生・役員と寄宿舎指導員ならびに学寮関係教職員が協調連携しながら,「各寮生の指導やチェックを直ぐに寮生本人が見られる=自分で指導されているという事実が自分で確認できる=あとからまとめて言われても指導効果が無いし,自覚を持った改善につながらない」ように,「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「何の目的で」「どういう経緯で」などといった様々なコンテキストを寮生自らが認識し,自然な形で働きかけ主体性と自覚を促すための枠組みを提案し,実践試行を行いつつある。

今後の研究の推進方策

適切な場所で適切な時に適切な情報を提供する環境 RTRPを拡張するとき,教育現場における,日常の気づき,常識,新たに発生した問題,雰囲気など暗黙知と学習者の状況コンテキストを連動させて,参加している他メンバや教師との共有感が体験メディアとしての持続的つながり感には重要であると考えられる。これらの実現のための重要な技術課題は,体験や様々な暗黙知を単なるビデオや音声として記録するだけでなく,「なぜそう感じたか」「経緯はあるのか」など周辺で起きているコンテキスト情報との関連性をネットワーク上の分散データベースに保存しつつ,同じような状況における自然発生的な状況判断により,ユーザ行動と既に蓄積しているマルティメディアデータとコンテキスト情報が如何に再利用して情報呈示できるかについて検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

要素技術ならびに新たに実装する要素の仕様検討と枠組み作りにじっくりと時間を掛けて初年度を取り組んだため,2年目の使用額は当初計画の通り遂行されているが,研究計画2年目と3年目にオーバーラップする現況と計画になっている。また,「学習者の遠隔の空間同士をあたかも隣接しているかのように知覚させる」具体的かつ実践的な支援システムを「複数地点分散の双方向型授業支援システム」において,使いやすくする学習支援という実践形の中で構築していく中で,より良い実践環境として,大規模学寮における「人間活動全般」を主な対象として,指導寮生・役員と寄宿舎指導員ならびに学寮関係教職員が協調連携を,本年度から実践試行に取り掛かったところであるため,より良い成果を検証するための成果物や学会発表ほかが3年目になったことから,次年度使用額が生じている。
遠隔ユーザの周辺センシングと呈示用ネットワーク環境の構築 ,クラウドサービス,周辺的情報呈示を行うための小型携帯スレートコンピュータ群に使用する。
また,旅費や成果発表については,HCI International 2014ほか国内外の学会発表と論文投稿などに使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Zoom Interface with Dynamic Thumbnails Providing Learners with Companionship through Videostreaming2013

    • 著者名/発表者名
      Takumi Yamaguchi, Haruya Shiba, Masanobu Yoshida, Yusuke Nishiuchi, Hironobu Satoh, and Takahiko Mendori
    • 雑誌名

      Human-Computer Interaction, LNCS(Lecture Notes in Computer Science)

      巻: Vol. 8005 ページ: 521-528

    • DOI

      10.1007/978-3-642-39262-7_59

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Implementation of a Learning Style by E-Textbook Contents Reduction Processing2013

    • 著者名/発表者名
      Haruya Shiba, Kousei Ueta, Yoshino Ohishi, Takahiko Mendori, Yusuke Nishiuchi, Masanobu Yoshida, Hironobu Satoh, Takumi Yamaguchi
    • 雑誌名

      CCIS(Communications in Computer and Information Science)

      巻: Vol. 374 ページ: 94-97

    • DOI

      10.1007/978-3-642-39476-8_20

    • 査読あり
  • [学会発表] 電子教科書を編集する新しい学習スタイルの試み

    • 著者名/発表者名
      芝治也,上田晃正,竹谷篤也,山口巧,永原順子,西内悠祐,吉田正伸,佐藤公信,妻鳥貴彦
    • 学会等名
      日本高専学会 第19回年会
    • 発表場所
      高知県南国市
  • [学会発表] Posture and Face Detection with Dynamic Thumbnail Views for Collaborative Distance Learning

    • 著者名/発表者名
      Takumi Yamaguchi, Haruya Shiba, Masanobu Yoshida, Yusuke Nishiuchi, Hironobu Satoh, Takahiko Mendori
    • 学会等名
      HCI International 2014
    • 発表場所
      Crete, Greece
  • [備考] Yamaguchi lab.

    • URL

      http://www.ee.kochi-ct.ac.jp/~yama/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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