研究課題/領域番号 |
24501244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 憲二 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (90345158)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 物理学史 / 原子核研究所 / 日本科学史 |
研究概要 |
24年度は計画通り、資料収集と分析を集中的に行った。とくに、文書館における資料調査に重点をおいて行い、国内資料館・図書館のうち、国内では、国立国会図書館(とくに憲政資料室所蔵GHQ資料、新聞資料室、及び科学技術資料室Archives of the History of Quantum Physics)、京都大学基礎物理学研究所湯川記念史料室、同じく京都大学基礎物理学研究所Progress of Theoretical Physics事務室において資料調査を行い、国外に関してはNational Archives and Record Administration(米国公文書館)においてアーカイブ資料の調査を行った。 また、国会図書館、各地の大学図書館とオンラインジャーナルでの調査、および古書の購入によって、一次資料のうち、印刷物になっている文献と、二次資料の収集を行った。これらの資料の収集と並行して、資料の分析も進めた。 他方で、現存する関係者の聞き取り調査のため、各種物理学者の研究会等に出席するなどして、ラポール形成を目指した。とくに今年度は、「戦後の原子核物理学は戦前とどう連続していたか」「占領期の社会的・文化的状況は当時の原子核物理・原子力開発にどの影響したか」「原子核研究所の設立において立地問題はどう解決されたか」に関する資料収集と分析に重点を置いた。 研究発表としては、葉山で開かれた日本科学技術社会論学会年会においてワークショップのオーガナイザーとして、および東京大学における日本科学社会学会設立大会に大会シンポジウムのパネリストとして参加し、両方の学会において、2011年の原発事故に関連して、戦後日本の原子核物理学について研究発表を行った。後者のシンポジウムに関しては、講演内容が今年度中に発表される予定である。その他、国内外で行った発表の幾つかが、本研究に関連している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定通りの作業に加え、予定していなかった学会における研究発表をすでに開始しているので、部分的には計画以上に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
特に大きな変更はない。ただし、25年度は、国内研究会等での発表と国際学会での発表を予定していたが、24年度にすでに国内学会での講演を2回しているので、25年度はむしろ国際学会での発表に力を注ぐ。25年度に関しては、予定通り、「原子核研究所の設立において立地問題はどう解決されたか」についての学術論文執筆の年度内の完了を目指し、特に年度の後半はこれを最優先したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際学会での発表、米国での文書館調査の為の費用、国内での文書館・資料館での調査費用と、資料収集の費用が大きな割合を占める。また、論文執筆のための英文校閲等にも使用する。
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