本研究では、日本・フランス・イギリスの放射性廃棄物の処理の歴史について調べ、その比較検討を行った。イギリスは1950年代初めに3国の中で最も早く放射性廃棄物の処理を開始したが、1970年代以降、大型再処理工場を発展させたのはフランスであった。フランスの躍進の背景には、軽水炉導入と高速増殖炉推進という原子力政策があった。日本は1970年代には、高速増殖炉開発においてフランスから技術提供を受けており、核燃料サイクルについてもフランスと同様の方針であった。そのことが1980年代から計画が進められた六ヶ所再処理工場建設にフランスの技術が導入された一つの重要な要因であることを明らかにした。
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