研究課題/領域番号 |
24501253
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
今野 晃市 岩手大学, 工学部, 教授 (90333476)
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研究分担者 |
松山 克胤 岩手大学, 工学部, 助教 (80404804)
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キーワード | 接合石器 / 剥離面 / 計測点群 / 欠落補間 |
研究概要 |
今年度は,下記の項目について実施した. 1.欠落補間: H24 より研究している,計測点群の欠落部分を補間する手法について,自動的に欠落部分を検出して,補間するポリゴン形状を生成するシステムを開発中である.今年度は,「下嵐江遺跡」(おろせいせき)から実際に出土した石器を計測し,それらの点群に対して欠落を補間できるようにシステムを拡張し,不具合を修正した.現状では,まだ頑健性が不足しているので,来年度も引き続き開発を行う. 2.稜線および剥離面抽出: (1)周波数領域に基づき,ノイズを含む計測点群から稜線形状を抽出する手法を開発し,論文にまとめた.本論文は,CGI(Computer Graphics International) 2013 で採択され国際会議発表とともに,国際的学術雑誌である 「The Visual Computer」誌にも同時に採択された(採択率:16.4% = 35件/213件).(2)また,計測点群を軽量化して,形状特徴を抽出する別の手法を開発して,NICOGRAPH 2013 で発表した.本論文は,査読を経て,芸術科学会論文誌へ招待された.現在,学術論文への投稿を準備中である. 3.剥離面間のマッチングによる隣接破片の姿勢決定: (3)姿勢推定については,従来の手法を D2 を用いて高速化するアルゴリズムを開発して,(2)と合わせて NICOGRAPH 2013 で発表した. 4.破片の組み立てに関する評価・検証: (4) 3月に東京国立博物館の品川さん,島根大学の及川さんが岩手大学を訪れたので,(3) で発表した手法について考古学的な立場から評価をいただいた.従来人間では接合が困難な石器も,本手法で実施可能性が高いことが分かった.また,より複雑かつ考古学的に優位な情報を抽出するニーズを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に実施する計画であったものは,ほぼ予定通り実施することができた.
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今後の研究の推進方策 |
「下嵐江遺跡」から出土した,石器群を3次元モデル化して接合評価を行い,本手法の課題を明確化した上で課題解決方法を検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
学生の雇用が予定より少なかったため. 海外成果発表(オーストラリア)と研究補助員の雇用,学会参加費などで使用する計画である.
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